運営堂ブログ

「新しいアナリティクスの教科書」を読んだ

「新しい」と書かれているだけあって従来の解析ツールを使ったアクセス解析から一歩進んだアナリティクスについて書かれた本になっています。アクセス解析とアナリティクスの違いをざっくり言うと、前者はWebサイトに限定したツールメインの分析で後者はユーザーを基準にしたあらゆるデータを活用すること、となります。どちらが良いとか悪いとかではなくて、アクセス解析は狭く深く、アナリティクスは広くそれなりに深く、となります。

※a2iさんから本をいただきました。皆様ありがとうございます!

■アナリティクスの4つのステージが超重要

アナリティクスの進化の段階が4つに分けて説明されています。
  • 幼年期:「ヒット数(ページビュー数も)の増減が話題だった時代
  • 少年期:データからユーザー行動を捉えた改善が始まる
  • 青年期:扱うデータの範囲がサイト外にも広がる
  • 成人期:経営陣がリードし、企業の文化として根付いていく
ここってとっても重要です。
Google アナリティクスの使い方を知りたいのに、専門家に聞くと「そんなものは覚えなくていい」的なことを言われたことってないでしょうか?私はこう言うことが多いです(笑)。

自分たちは幼年期なのに改善を依頼した人が青年期のつもりで話したりするとギクシャクするんですよね。最終的なゴールが売上や利益の増加となると青年期や成人期の話が重要になるのですが、実際は幼年期であればそこから進めないといけませんから。幼年期から順番に段階を上げていく時間がない時もありますので、お互いがどの段階にいて何をすれば段階を進めることができるかを把握することが最優先です。

個人的には最初の段階での意識あわせ=コミュニケーションに時間をかけて、お互いの考えや知識や経験をどんどん開示して些細なことでも確認していくことが必要になると思っています。ここができればあとは早いです。焦って3か月間で何も動かないよりも時間をかけて半年でしっかり成果を出す方がいいと思いますし。

いずれにせよゴールまでの距離を測ることがスタートです。

■細かいテクニックは書かれていません

上に書いたようなことがベースになっていますので、データの見方とかGoogle アナリティクスの使い方など細かいことは書かれていません。どちらかというと概念的な話です。細かいテクニックが不要になったわけではなくてそれは当たり前にできることが前提になっています。

本文中ではこう書かれています。

最新技術へのキャッチアップは必須です。そのうえで、大量のデータに振り回されるのでなく、目標につながるデータを選び出し、適切なコミュニケーションによって改善を進めることが、データ分析担当者の大事な仕事となります。

データが抽出できて、それを整理してポイントを抜き出し、共有していくことが最低限ということですね。

ちなみに2010年前後のアクセス解析は細かいテクニックがベースでWeb解析HACKSが私の教科書でした。今となっては古い内容ですが読んでおいて損はない本ですので、アナリティクスを知りたい人は読んでみてください。

■基準はデータではなくて人

人の動きが知りたくてそれをWebサイトなどのデータから知ろうとしたけど、最終的には人を見ないといけなくなってきています。オムニチャネルという言葉ある通りユーザーは自分の好きな時間に好きなことをしますので、自分たちを基準にしていってもなんともならないんですよね。2章、3章にこのあたりが詳しく書かれています。

アクセス解析にしろアナリティクスにしろどんどん変わっていくものなのでそれに合わせて基準を変えていくのは大変です。ユーザーという絶対に変わらないものを基準にして、それに合わせてアナリティクスを工夫していけばいいわけです。ユーザーの視点からWebサイトのデータ分析をしていくと従来のアクセス解析をしていても得られるものが変わってくるはずです。

念のため書いておくとデータから分析して良い結果が得られる時もあります。ここは場合によって使い分けですね。

■ある程度慣れている人か経営層に読んでほしい

データを扱えるようになったけどアクションにつなげられない人、データを活用したいけど細かい分析のことは関係ない人、この人たちにとっても役に立つ本だと思います。特にデータを専門家に分析してもらえばドカンと伸びると思っている人には読んでほしいです。ドカンと伸びるのであればそれはデータ分析のせいではなくて、既知の問題が解決されただけの可能性が高いですからね。アナリティクスはその先。


「アナリティクス」というまだまだ定着していない言葉にさらに「新しい」をつけたタイトルを見るとa2iさんの想いを感じます。

ちょっとでもGoogle アナリティクスを触る人たちは基本概念を理解する本として読んでみてください。


以下、目次
第1章 「アクセス解析」から「アナリティクス」への進化
第2章 ユーザー心理を捉えたサイト改善の始め方
第3章 カスタマージャーニーによるユーザーの深い理解
第4章 データ統合が実現するマーケティング自動化
第5章 アナリティクスを生かす組織の作り方


書籍版

Kindle版

コメントをどうぞ

メールアドレス (必須・公開されません)
コメント本文

  • スパム・迷惑コメント投稿防止のため、メールアドレスの入力が必須ですが、公開はされません。何卒ご協力のほどお願いいたします。
  • 投稿いただいたコメントは管理者のチェック後掲載しておりますので、即時には反映されません。