運営堂ブログ

「顧客の心をつかむニーズ多様化時代のマーケティング戦略」を読んだ。

タイトルにマーケティング戦略と書かれていますが、実際は数々の統計データから日本というマーケットの全体を説明している本です。コトラーが書いているような内容ではありませんのでご注意ください。

読んだ感想は、よくもこれだけのデータを集めたな~ということです。こういった統計データを集める時に苦労するのはそのデータの正確性とか信頼度を調べることです。ちょっと検索すればたくさん出てくる中で、信頼できるものって少ないですからね。それが集まっているというだけでとっても助かります。

※幻冬舎様から本をいただきました。ありがとうございます。

■というわけで全体を把握するためにお使いください

前書きにこう書かれています。

「群盲像を撫でる」という言葉の通り、社会という巨像はその規模の大きさと構造の複雑さでもって、我々の一面的な理解を拒むのである。しかし、様々な変化の客体が結局のところすべてのもの1つに、すなわち我々が生きるこの社会に収斂していくものである以上、やはりその全体像を捉える必要がある。

その全体像捉えるのがとっても難しくデータを集めるの面倒なんですが、この本にはそれが集まっています。

個別のデータをどう使うのか?については読んでいる人が決めればいいと思いますが、個人的な考えも書いておきます。

■統計データを活用する順序

統計データを使う時には自分の中でこういった順序で見るようにしています。順序というかその分野についてどれだけ詳しいかどうかでしょうか。

何が起こっているか知る

その分野について詳しくない時にデータを見て何が起こっているかを知るために使います。過去のトレンドを見て増加傾向なのか減少傾向なのかなどを判断したり、なんでそうなっているかを考えます。

自分にどんな影響があるかを知る

例えば人口減少という問題があった時に、自分にどのような影響があるかを考えます。インフルエンザの流行のすぐに影響があるようなものは既に影響を受けている可能性が高いので考えなくても良いのですが、じわじわ変化が起きるものは体感しづらいので予め考えておいた方がいいですよね。

どうすればいいかを考える

じわじわ来るものがあった時にどうしておけばいのかを考えます。人口減少となって海外に行かないとやばいかも?と考えた時に、英会話を習う人の数が増えていればみんなそうなのかな~?って思いますよね。自分が考えたことのチェックにも統計データは使えます。

別の側面を考える

人口減少で海外を考えるよりも、出生率の高い地域に移住すればいいのでは?とも考えられますよね。これは一つのテーマを考えている時に複数のデータを見ると思いつくので、紹介した本のようにデータが1冊にまとまっているととっても助かるわけです。検索していると、その間に忘れていくんですよね(笑)。

現場に出て見る、聴く、感じる

これが一番大切かなと思います。統計データで知ったことが現場で違うことってよくあります。既に過去のことだったり場所によっては全然違う傾向になっていたりです。これはどっちがあっているとか違っているということではなくて、自分が見た部分と統計データの全体の差でしかありません。ですが、複数の感覚を養っておくのはとても大切です。

今後の参考にもなりますのでデータ集的に使ってみると良いかなと思います。

以下、目次

第1章:超高齢化、女性の社会進出、エリア格差
~マクロ環境の変化が顧客ニーズを多様化させる~
★第1節 社会(人口、少子化、女性の社会進出…など)
★第2節 環境(自然環境、情報環境、流通環境…など)

第2章:データから読み解く顧客の価値観
~現代社会における消費トレンドとは?~
★第1節 労働と余暇(労働力人口の減少、労働生産性と雇用形態…など)
★第2節 所得と格差(所得分布の変化、資産階層別の状況…など)
★第3節 時代と消費(時代の変遷と消費、時代効果と消費トレンド…など)

第3章:変わりゆく生活スタイルと世帯構造
~「潜在ニーズ」をつかむターゲット分析
★第1節 考察の前提(生活行動と属性、世帯、ライフコース…など)
★第2節 注目すべきライフステージ、未婚男女…など)
★第3説 消費に影響するその他の要因(シニアの健康と行動範囲…など)

第4章:”選ばれる”起業になるために
~ニーズ多様化時代のマーケティング&ブランド戦略~
★第1節 マーケティングとブランディング(環境変化とマーケティング…など)
★第2節 ブランディングの展望と提言(これからのブランド戦略のために)

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