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Jリーグの行動科学を読んだ

ある日突然「書評のお願い」というメールが届いたので、それがきっかけで読んでみた本です。書評なんて偉そうなことができる立場ではないですし、私が書いたところでさほど影響があるわけでもないでと思いますが、初めてのことなのでチャレンジしてみました。とはいっても書き方は今までと変わっているわけではありません(笑)

■きっかけはa2iのメルマガ

この本の販促やPRをされている方が、アクセス解析イニシアチブが発行しているメルマガを読まれており、さらに3/1日号で掲載された「Web解析HACKSを改めて読んだ」を経由して、私のブログを読んでいただいたことから今回の話になりました。「サッカースカウティングレポートを読んだ」の記事や右そでにはってある個人的におススメの書籍をご覧になって、分析&サッカーに興味があると思われたのでしょう。まさかa2iのメルマガがきっかけでこういったことになるとは思っていなかったのでかなり驚きです。

■内容はリーダーシップとキャリアについてです

ボリューム的には1:2ぐらいでキャリアについての内容になっています。サッカーやスポーツをテーマにしたリーダーシップ論の本は数多く出ていますが、スポーツとキャリアにフォーカスしているものは少ないので、なかなかユニークな本です。

■「セカンドキャリア」はスポーツ界だけではない

スポーツ選手は選手寿命が短く30歳を過ぎるとベテランと言われ、引退や解雇がちらついてきます。そして、セカンドキャリアをどうするのか?というのはよく話題になりますよね。スポーツ選手は普通の社会人であればまだまだ一人前にもなっていない年齢で、ほぼ確実に引退を迎えます(カズなどは例外中の例外)。こういった厳しい世界はスポーツだけかと思っている方も多いはずですが、実はweb業界も同じなんだと思います。ドッグイヤーとかマウスイヤーとか言われるぐらい進化が激しく、数年前の技術や知識では何もすることができません。しかも、若い人がドンドン出てくるのはスポーツ界と同じなので、給料が高いだけの年寄りはあっという間に仕事がなくなってしまいますよね。

web業界に限らず働いている人全てがセカンドキャリアを考えないといけない、というわけではないですが、常にここを意識して、自分の何年か先や今のスキルが通用しなくなることを考えて日々行動していかないといけないと思います。そうしないと、本当にあっという間に取り残されてしまって一人ガラパゴス状態です(笑)。そういった意味でこの本を読んでみると色々な気づきがあります。

■常に目の前に一生懸命?それとも先を見て?

ここは非常に悩むポイントです。私の場合、目の前の仕事に集中しないといけないのは当然ですし、集中していい仕事をしないと次の仕事もないと思っています。ですので、先を見て仕事ができるの?それって逃げ道を用意しているだけじゃないの?と考えるのは当然の流れです。でも、その先に断崖絶壁が待っているとしたら・・・。

先のことを考えておかないといけないですよね。まして、個人事業という何の保障もない身分なので、仕事がなくなりましたではすまされません。そう考えると自分のキャリアや世間の流れを考えながら日々仕事をしていくことがとても重要になってきます。これは当たり前の話ですが、当たり前のことを当たり前と認識するのって意外と難しいです。当たり前のことなので考えませんし、考えようにも当たり前だから、で終わってしまいます。その当たり前を考えることと、答えを出すことが自分のキャリア=人生にとってとても大切なことなんですね。

■では実際にどうするのか?

このあたりについてはChapter5~10で詳しく書かれています。

  • 5 プロサッカー選手のセカンド・キャリア到達過程―プロ化創成期の実情
  • 6 Jリーガーがピッチを去るということ
  • 7 セカンド・キャリアへの第一歩―接点を持つ勇気「カレジャスネス」
  • 8 セカンド・キャリアへの第二歩―周囲の人がもつ近づきやすさ「アプローチャビリティー」
  • 9 キャリア・トランジションのためのセカンド・キャリア教育―Jリーガーとしての自分以外に「自分」を見つける作業
  • 10 ビジネスの世界で仕事をするひとへの教訓

中でも私が興味を持ったのはChapter5,6です。

Chapter5では「役割退出論」によって、選手のキャリアスタート~セカンドキャリアの獲得までを、20名の選手の聞き取り調査から分析しています。さらに20人の聞き取り調査の内容(生ログと言った方が早いかも)も詳しく書かれており、それぞれの選手の気持ちの揺れ動きや、サッカー選手という職業に関する考え方が「役割退出論」に沿って説明されていますので、ケーススタディとしてはとても参考になります。

Chapter6ではキャリア・トランジションに求められる3つのスキルとして「コンセプチャ・スキル=大まかな設計を膨らませるスキル」、「ヒューマン・スキル=対人関係などに関わるスキル」、「テクニカルスキル=転職や実務に関するスキル」を挙げて、選手のコメントをもとに説明しています。スキルがあれば何とかなる、と考えがちですが、それ以外のスキルも身に着けておかないとセカンドキャリアの獲得が難しくなり、結果としてそれまでのキャリアが無駄になってしまいます。

ちょうど今後のことなどについてあれこれ考えていた時期なので、スラッと読むことができましたが、論文調で書かれているので慣れていない人は読むのに時間がかかるかも知れません。

今の仕事やスキルに限界を感じてきた人は、是非読んでみてください。

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