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改善点だけを教えてくれる解析ツールは出てくるんでしょうか?出たとして使えるのでしょうか?

アクセス解析をやっていて、自分も思うしお客様からも言われることの中に「解析せずに改善点だけを教えてくれるツールってないの?」というお決まりの質問があります。解析という細かい作業に時間とコストをかけたとしても、必ずしも改善点が見つかるわけではないですし、見つかったとしてもそれは答えではなくて、「仮説」でしかありません。仮説でしかないのなら、時間とコストをかけずにそれが発見できればいいんじゃないか?ってなりますよね。

■改善点だけを教えてくれる解析ツールはできるんじゃないかと思う

サイトの規模にもよるでしょうが、各指標でアラートの出る数値をページやキーワードやセグメント単位で設定(複数からめてでも可)しておいて、そうなったときに見る箇所を決めておけばある程度は改善点が出てくると思います。解析した都度その流れを記憶させていけば、どんどん人間に近づいていくと思うので精度も上がるでしょう。そして、ツールベンダーであれば、数多くデータが手に入るので、それをもとに作っていけば、初心者でも何もせずにサイトの改善ができていくはずです(ユーザーの同意が必要ですね)。実際にそういったものが出てくるかどうかは別として、可能性はありますよね。

■こういったツールは使えるのでしょうか?

使えるかどうかとなると絶対的判断基準はないのでなかなか難しいですが、私は基本的には参考程度にしかならないと思います。というのも、ユーザーのニーズは日々変わりますし、webサイト自体の作りも変わりますし、新たなwebサービスもどんどん出てくるからです。その中で過去のデータから未来を予想しようと思っても、どうしても無理が出てきますよね。ここがwebサイト改善の厄介なところで、流れが早いため解析している人間も常に新しいものを判断基準に加えないといけません。当たり前ですが、コンピュータは過去にあったものから判断することはできますが、「今ない」ものは判断ができませんよね。

■ではどう使うか?

基本的な指標(たとえば直帰率とか)に関しては使えるのではないかと考えています。ページごとの直帰率が高い時に流入元(キーワードも)を見に行って、そこにあるコンテンツやキーワードやリスティングであれば広告文などから、ページとのマッチ具合やユーザのスクロール率やクリック率などを見ていけば問題点は出てきます。そこでポイントを機械的に指摘してもらって、あらかじめ用意した代替広告やページを出していけばいいわけです。A/Bテストと最適化を自動でやってしまうイメージですね。こうなってくるとデザインや広告文は質じゃなくて量になってきます。とにかくアクセスを集めて、どんどんテストして・・・、を繰り返す感じです。しかも、半自動で。

■自分はサイトとデータを通してお客さんと会話したい

楽にアクセス解析レポートを出しても仕方がないと思うで書いたように、実際にデータと会話をしながら解析をしていることがよくありますし、サイト自体を見ながら話をしている時もあります。その時に頭にあるのは、実際にアクセスしているユーザーの行動や表情で、サイトやデータを通してその人と会話をしているイメージです。目の前で会話をしているわけではありませんが、「話す」という行動によって頭が活性化をしていきます。アイデアがふとした時に浮かんでくるのと似ているのかも知れません。そこで気づいたことは、機械的に導かれたものではなく思い付きに近いので、その思い付きを実際のデータで検証して仮説までに持っていくようにしています。こうすることで、より精度の高い仮説ができると思いますので、コストと時間をかけて解析することの意味が出てくるわけです。

■最終的には機械とうまく付き合いながら

バレーボールの分析ソフトをがあった。サッカースカウティングレポートを読んだにあるようにスポーツではデータに基づいてプレーするのが当たり前です。webサイトも同じでデータに基づく行動が基本的には存在して、その流れの中で出てきたものは現場で対処、といった感じで分業制になっていくかもしれませんね。

ツールに使われすぎず、使いすぎず。このバランスと保ちながらやっていきたいです。