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「世界一やさしい問題解決の授業」を読んだ

webサイトの改善は「問題解決」のかたまりです。アクセスが伸びない、問い合わせが増えない、売れない、使いづらい・・・。私は日ごろアクセス解析ツールなどを使ってサイトの改善をしていますが、ツールを使うことが前提ではなくて、まずは問題点を把握してそこから解決策を考えて、そのためにサイトの状況を知る必要があるのでツールを入れて、改善施策の効果を測定しています。作ること、測ることは問題解決に必要なだけであって目的ではありません。

問題は様々なものがありますので、問題を解決するには手法を知っていた方がスムーズです。今回紹介する「世界一やさしい問題解決の授業」はそういった問題解決の手法が分かりやすく説明されています。

■中学生向けに書かれています

今の学生は自分で考えることをしない、とよく言われます。学校で考えることを教えていないから当然なのですが、そもそも自分で考えることができないといけないか?という疑問が出てきます。そんな疑問に著者はこう回答しています。

この本で紹介する「考え抜く技術」、そして「考え抜き、行動する癖」を身につければ、たとえば苦手な教科を克服する、部活でよい成績を残す、文化祭を盛り上げるといった、日常生活で直面するさまざまな問題を解決できるようになります。そして、自分自身の才能と情熱が許す限り、夢を実現する可能性を最大限まで高めることができます。つまり、自らが責任を持てる人生、後悔しない人生を生きることができるようになるのです。

考えて行動することができれば楽しい人生が遅れるということですね。まず、この前提を理解してこの本を読んでいくと良いと思います。目の前の問題を解決することだけを目的に読んでしまうと、単なるノウハウ本になってしまって単発で終わってしまいます。

そして、中学生向けに書かれているのでスラスラ読めますし、何度も読むことで自然と身についてくると思います。問題解決の本って難しいものが多いのですが、この本は基本的が分かりやすく書かれているので、何度も読むのに向いています。

■現状の理解、原因の特定、打ち手の決定、実行

やることはこれだけです。書いてしまうとシンプルなのですが、実際にやってみるとなかなかできません。現状の理解にしても、現状理解のつもりで自分の考えが混じるときもありますし、原因の特定にしても、特定したつもりでも単なる現状の時もあります。

話はそれますがトヨタさんでは「なぜを5回」っていいますね。原因だと思ったもが分かったら「なぜそうなったのか?」を5回繰り返して考えるということです。それほど原因は深いところにあるわけです。

話を戻して、これらを実際にやるには何度もやってみるしかありません。知ってできるものではなくてやって分かるものだからです。だから一番最初に「行動する癖」と書かれているんですね。

■具体的な事例を参考に身近な問題解決を繰り返す

パソコンを手に入れるためには?という身近な事例で考え方や行動が具体的に説明されています。ここでポイントなのは事例を学ぶのではなくて、問題は身近なところにあって、それを解決するためのトレーニングができるということです。問題というと大きなことを思い浮かべがちですので、なかなか知ったことを発揮する機会がないと考えがちです。しかし、身近なところに問題があって、解決するチャンスがあるとわかると一気に問題解決力が身についてくると思います。昼ごはんに何を食べるとか?といったことでも問題解決のケーススタディになります。こういった問題意識が出てくると何故それをやるのかが明確になるので、吸収速度も速くなりますよね。漠然と時間を過ごすのではなく、考えて過ごすだけで日々成長します。

まずは、ちょっとしたことから考える習慣を。

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
渡辺 健介
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