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アクセス解析以前に「数字が苦手だ」、「そもそも数字を見るのが面倒だ」という人のために

アクセス解析をしたいけど、Googleアナリティクスの使い方が分からない、Googleアナリティクスの数字の見方が分からないという人は多いかと思います。また、それ以前に数字自体が苦手だという人も多いですよね。数字って一桁間違えたり1文字間違えるだけで大きな違いになるし、それでいてチマチマ整理するのが面倒なものでもあります。そんな方のために数字との付き合い方を、私の経験から書いていきたいと思います。

■漢字を書くのが苦手じゃないですか?

「憂鬱」って「ゆううつ」と読めますよね?では書くことはできますか?書けないですよね。数字が苦手なのはこれと同じ理由なんだと思っています。

見ているとなんとなく意味が分かるし、理解した気になりますが、実際は頭に入っていないのです。漢字が書くのが苦手なのは書いていないから。数字が苦手なのは数字を書いていないからということですね。というわけで、まずは数字を見ないで数字を書くことをおススメします(実際には「入力する」ですがここでは「書く」と表現します)。

私はアクセス解析のレポートを作るときに、数字をそのままコピペしたりAPIから引っ張ってきたりしないで、できるだけ手で書くようにしています。例えば6月のアクセスが675だったとしましょう。テンキーで675と入力するために手を動かしますので頭に入りやすくなります。そして、7月のアクセスが702、8月が710・・・と書いていくと数字も頭に入ってなんとなく傾向もわかってきますし、数字だけを見ることなく意味することが理解できるようになります。

数字が苦手な人は数字の塊を「見て」しまうから苦手になるんだと思います。675ならたった3つの数字です。まずはそこだけに集中して、その次に書くもの・・・と意識していけばたくさんの数字を意識する必要がありませんので、数字アレルギーもなくなってくると思います。

■あれ?って思えるために

上の話の続きでもし9月が987だったとしたら、あれ?って思いますよね。

思わない人は数字を書いていなくてキーボードを叩いているだけです。これでは単なる時間の無駄ですので、数字を意識しながら数字を書いていってください。まずは5つぐらいの続いた数字を書いていき、前の数字を頭に入れながら数字を書きながらていくことで異常値に気付くようになります。

前の数字を頭に入れる時は数字だけではなくて、引き算→割り算をしながら数字を書いてみてください。正確な数字ではなくていいのでだいたいどれぐらいかを考えてください。675→702であれば、30ぐらい増えて30/675が1/20ぐらいなので5%ぐらい増えたといった感じです。ここは本当に概算でいいので変化量と変化率をイメージすることが大切です。これをやりながら数字を書いていけばグラフにする前にどんなものかわかってきますし、数字を書いている段階で何が起こっているかが分かるようになります。

■書いている時のことを文章にすることで説得力が出る

6月:675
7月:702
8月:710
9月:987
これだけを見ると「ほぼ横ばいで9月が多いね」ぐらいしか話せないですが、先ほどのアバウトな引き算・割り算をすることで「前の月と比較していくつ増えて、それがどれぐらいの率か?」を話すことができるようになります。

書いていた時の頭の中の流れはこんな感じですよね。
数字の抽出 例:6月:675 7月:702 ・・・

計算 例:6月→7月で5%増加

メモ 例:日数違いのため?orその他?(参照元、検索エンジン、キーワードで確認)

そうするとグラフにしたときのコメントもつけやすくなりますし、発表する際も具体的な数字で発表ができるようになります。あれっ?と思ったところはメモしておいて数字を書き終わってからじっくり見ればいいです。そして、そこが発表のポイントであり改善すべきポイントです。

数字が苦手な人はまとめるのも苦手だと思います。それはビジュアル化してから考えるからであって、数字を書いている時にまとめてしまえば単なるビジュアル化の作業になるんですよね。さらに事前に言いたいことがはっきりしていれば、作るグラフも強調するべき場所が分かっているので上手く作成することができます。グラフテンプレートのお世話になって見栄えだけのものよりもグッと説得力が増すはずです。

■数字の魅力と魔力を知る

自分の作成したレポートがいい評価を受けてそれで次の行動が決まっていくのは嬉しいものです。周りの同僚からも数字についての依頼が多く来るはずですし、見るだけの報告書が意思決定ツールになるのでやりがいも出てきます。そうすると数字を見る際ももっといいデータはないかとか、何か見つけてやろうという気になってきて、いいモチベーションで仕事ができるようになります。

対クライアントでは言うことを聞いてもらえるようになるのが最大のメリットです。聞いてもらえるというとちょっとおかしいですが、レポート作成・報告・検討・金額交渉の時間などをすっ飛ばして施策に移れるようになるんですよね。あの人が出した数字と提案だから大丈夫でしょうというお墨付きをもらえる感じでしょうか。しかも、クライアントも自分たちも何かにつけて効率化するしコストダウンになります。

しかし・・・。

最初は数字を出すことでどんどん改善されるのですが、それも効果が薄れてきて当たり前になってきます。その時に何か特別なことをしてやろうと思ったり、手を抜いてしまうのが一番怖い瞬間です。そういったときに限って入力ミスやグラフの作成ミスなどをしてしまい、その数字で意思決定がなされ、その結果会社やクライアントに損失を与える・・・。なんてことになりかねません。

最近ではこういった事例がありますよね。
ネットレイティングス「やっぱりmixiの訪問者数、ゲタ履かせてたわ。下駄脱がせたからよろしくな」: やまもといちろうBLOG(ブログ)

そんなことにならないためにも、衣袋さんの毎日の呟きを忘れないようにしましょう。

■まとめ

  • 数字は全体見ないで一部分だけを書く
  • 数字を書くときは前とのつながりを意識する
  • 数字を書いている時のことを文章にする
  • 数字の魅力と魔力を知る

数字を数字ではなくて文章としてとらえられると一気に楽しくなってきますので、引き算・割り算の文章を考えながら書いていってみてください。