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いわゆるダメなアクセス解析レポート 7つのパターン

よく見かけるダメなレポートの7つの例をまとめてみました。

偉そうに書いていますが、過去に自分もやったことがあるのもいくつか入っておりますので、今から始める人の参考になればと思います。

■結論が決まっている

こうならないといけない、というものが決まっていてそれに合わせて作られたレポートってたまに見ます。提案したものが上手くいかなかった時にこうなってしまうようなのですが、そのレポートには何の意味もありません。悪く言えばねつ造ですからね。

自分が提案したことが上手くいかなかった時って隠したくなりますが、そうじゃなくて悪いことは悪いと報告して、何故そうなってしまったのか?リカバリーするにはどうすればいいのか?を真剣に考えたレポートにしないといけません。

それによって仕事を失うかもしれませんが、うそをついて仕事をもらうよりはよっぽどいいですよね。

こうならないようにするには、提案の段階で状況に合わせた対応のオプションを入れておいて、アクセス解析のデータを見ながら臨機応変に対応していくのが一番だと思います。

決めたとおりに行くのがベストですがそうならないことの方が多いですし、最初にきっちりかっちり決めてしまうので身動きが取れなくなってしまうということです。

■都合の良い部分だけピックアップ

これも上の例と似ていますが結論は決まっていなくて、都合の良い部分だけを抜き出したレポートになっている点が違います。

やはり都合の悪い数字が出てしまうと仕事がなくなったり、怒られてしまうので隠したくなるのは分かるのですが、そういったことをしてもいつかは必ず明るみに出てしまいます。

悪いことは悪いとしてこちらもきちんとした改善案をつけておきましょう。

■Google アナリティクスそのまま

できたてのデータを鮮度そのままでお客様にお届けしました!というレポートです(笑)。

アクセス解析をしてほしいと言われたけど、どうすればわからない?といった時に見られるレポートで、Google アナリティクスの数字はこうです、以上。となっているのがほとんどです。

数値から何も読み取っていませんし、トレンドも見ていませんし、期間比較などもされていませんので意味のないレポートですね。

レポートの書き方が分からない時は素直にわからないと伝えてこういったレポートしか出せませんと言うか、プロに頼みます、と言うか、必死に勉強してきちんとしたものを出すか、の3択だと思います。

出来ないと思われるのは嫌かも知れませんが、そんなことはお客様には何の関係もないので素直に現状を伝えるようにしましょう。

■現状報告

Google アナリティクスそのままではなくてエクセルなどで書こうしたグラフもあって見栄えもよく、専門用語もふんだんでパッと見すごいレポートに見えるものです。

しかし、数字の傾向などが述べられているだけでそこから問題点などを読み取っておらず、あったとしても改善提案がついていないものです。

何かをするにはまずは現状が分からないといけないですが、見たいのは何が問題でどうすればいいのか?ということですので、レポートの目的までさかのぼって何を提案すればよいかを考えましょう。

■改善案とレポート内容の不一致

レポートでは問題点が指摘してあるんですが提案内容を見ると全くそれが活かされていないものです。

コンバージョン率や直帰率が悪いのでページのデザインを変えましょう(リニューアルという場合も)!というパターンが多く制作系の人のレポートに多く見られます。

直帰率はページタイトルなどの基本的なSEOで改善されることもありますし、コンバージョン率もナビゲーションやフォームの項目を工夫するだけ改善することもあります。

何かを作る仕事が欲しくなるのは分かりますが、それは自分たちの都合でお客様には関係ないことです。

できるだけ少ない労力=コストで最大の成果を上げるような改善案を考えましょう。

■数値の使い方を間違っている

Google アナリティクスでよく見るのはページビューとページ別訪問を同列に扱うとか、離脱率の分母を訪問数としている、アクセス数が数ないサイトで数%の動きを問題点とする、などです。

数値の間違った使い方をしたレポートを作成して判断をすると判断自体も間違ってしまう可能性が高いですし、それに気づいて直す時も過去にさかのぼっていかないといけません。

「この数字ってどうやって出してあるの?」と「それって問題なの?」という質問を常に自分に投げかけて慎重に作成してください。

■誰の役にも立たない改善案

会社概要のページがよく見られているのでそこから他のページに誘導しましょう!とか、ページビュー数が少ないページの直帰率改善提案とかです。

Webサイトの最適化とかいって提案されることが多いのですが、それがお客様のビジネスにつながらないのであれば何の意味もないので提案しなくてもいいですよね。

数字を見ていると直したくなることでも直さなくてもいい時もあります。

【まとめ】事後レポートではなくて事前のレポート設計で

Webサイトを作ってから解析のことを考える、キャンペーン内容を確定させてから解析のことを考える、といった時に上に書いたようなレポートが作成されることが多いです。

大切なのは今を見て過去を変えるのではなくて、今を見て未来を想定しておくことです。

事前にサイトの目的やキャンペーン内容から見るべき数字を決めておいてそれを見ていけば大きく外れることはありませんし、見るべき数字が分かっていればそれが芳しくない時にどうするかのアイデアも出てきます。

企画時に解析まで含んだものを作成する習慣をつけておきましょうね。