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アクセス解析の悩みと解決方法の記事がたくさんあったのでまとめてみました。

先週から今週にかけてアクセス解析でよくある悩みとそれの解決方法が書かれている記事が固まっていたので簡単にまとめておきます。

こういった記事って単発で読むと他の記事とつながらなくて、個別に頭に入れると「やらないといけないこと」が増えていくんですよね。そうなると面倒くさくなって最終的に全部やらないという結果になってしまいます。そうならないためにもこんな感じでつなげてみるといいと思います。

■異動、レポートの新ネタ、テスト

まずはよくある悩みを3つの記事から。

【メルマガコラム】人事異動の空白とアクセス解析 , アクセス解析の協議会 アクセス解析イニシアチブ

特に印象に残ったのは、熱心な担当者が、社内事情で人事異動をしてしまったケースです。かなり頑張っていて、もう少しで結果が出るぞ、というところで、「実は」と異動を切りだされました。もちろん、異動はめでたいことなのですが、ようやく回りだしたアクセス解析の歯車はそこで止まってしまいました。
この「人事異動の空白」は、アクセス解析やウェブマーケティングの世界では、影響が大きいと感じています。ただ、特別な対策はなく、人の抜けた穴は、他の人で補うしかありません。影響が大きい理由は、例えて言えば選手層の薄いサッカーチームが多い、という事でしょう。

異動があるとすべての施策が一旦停止になって、用語などの基礎的なところからスタートというパターンですね。これがあると解析側は「どうせ何か提案したってまたリセットされるんでしょ」、と思いがちです。

Googleアナリティクスで良いレポート(報告書)を作るには、どうすればいいですか? , Web担当者Forum

よくあるレポート作成3つの誤解
・新しいネタが必要
・改善案が必要
・原因を特定しなくてはならない
この3つの誤解があると、2人のようにどこかで行き詰まるし、間違ったレポートになってしまう。

異動があってリセットされるとこの壁にぶつかる場合が多いです。新ネタは提案する→実行されない→レポートネタが無くなるの流れ、改善案は「もっとすごいことが分かると思った」という言葉から、原因特定は「それを探すのがあなたの仕事でしょ」という言葉から始まることが多いです。手品師が新ネタ披露して種明かしをして商売をしているのとは違いますので、ここを気にしだすとドツボにはまります。

なぜ日本にテストの文化が根付かないか? , dIG iT

日本の制作現場において、社内で制作している事は少なく、外部に委託しているために制作したものを納品、ローンチするまでが仕事であることが多く、運用にがっつりと制作者、特に最初に作った制作者が関わることはあまり多くありません。
つまり、制作時に組み立てられたペルソナ、動線、メッセージといった<仮説>が検証されることなく、なんとなく運用で少しづつサイトの形を変えていくことが多くなっているのではないかと。

現状、解析担当者のレポートでは分析によって「このページへの流入が多いですね」「ここの直帰率が高いですね」といったおおよその問題点の指摘”まで“しか出来ていないことが多いのではないでしょうか?つまり、具体的な改善施策には至れていないケースが多いと感じています。

つながっているはずの業務がそれぞれの部署での目的が違うために分断されてしまいがちです。解析側はそれまでの経緯を知らないので事実の報告までに終わってしまう。こうなるとアクセス解析=使えないとなります。

■解決には現場と話すこと

ここ解決するには自分からどんどん相手の側に入り込んでいくしかありません。

プロジェクトの成功に求められるWeb解析のスピード化(CSS Nite参加レポート) , Webディレクターズマニュアル

もっとリアルにサイトを訪れてくれたお客様の声を聞こう。
そのためのやり方とツールをGoogleさんが無料で示してくれている。
そして自分だけで無理ならチームでやってみよう。

「リアルに」、ですね。Webサイトの向こうにはユーザーのリアルな動きがあるはずです。
しかし、自分だけで無理な時に誰かに聞いても「アクセス解析は分からないから」って言われたら終わりですよね。そんな時の解決方法が次の記事です。

記者の眼 – ナニワのデータサイエンティストは、現場の「こうちゃうか?」を尊重:ITpro

 「分析結果を社内でプレゼンテーションし、『それはいい』『素晴らしい』と拍手喝さいを浴びても、その後、会社が全く変わっていかない。そんな悔しい経験を今までに何度もしてきていますからね」
 河本所長はそう打ち明ける。どんなに分析結果が素晴らしくても、現場が動いてくれなければ、何の意味もない。

分析屋が犯しやすい典型的なミスは「現場は無能だ」「現場は勘と経験と度胸(KKD)に頼りすぎだ」といった具合に、頭から現場を否定してかかる高圧的な態度なのだという。これでは、現場が変革に協力してくれるわけがない。だから会社は何も変わらない。
 確かに、データ分析は客観性に優れているかもしれない。「データはウソをつかない」と信じやすくもなる。しかし、河本所長は言う。
 「正しい分析をすることと、現場が正しい意思決定をすることは意味が違う。会社がやりたいことは正しい意思決定であって、正しいデータ分析ではない。分析担当者はよく、その点を勘違いする」

河本所長は「現場のKKDは本当に素晴らしい」とまず言い切ってみせる。そのうえで「実務を知っている人がビッグデータの山を見て、『こうちゃうか?』と分析担当者にヒントを与えてくれた時、意思決定に本当に役立つ分析ができる可能性が飛躍的に高まる」と話す。

「こうちゃうか?」と思ってもらうことが現場の人との接点ですよね。こう思ってもらえないことには何も始まりませんが思ってもらえればどんどん進み始めます。

最大の敵「身内」を巻き込め/【漫画】四葉幸のハッピーオウンドメディア第5話 (p.3) , Web担当者Forum
ここのページにあるように「こうちゃうか?」と言ってくれる人に自分からアプローチしていけばいいですよね。会議などの堅苦しくない場所ではなく、自然と社内の人間が集まる場所があると思います。そこに行って聞いてデータを見てもらえればヒントが見つかるはず。

■最後に細かい解析

成果を出すリニューアルは、コンバージョンの源泉から , beBit.jp~顧客視点を、あなたのウェブに

有効なのが「資料請求」、「申し込み」、「購入」といったサイトごとのゴール=コンバージョン(以下CV)の源泉のチェックです。このチェックは以下の2つの観点から行うことをおすすめします。
「どの経路でどのくらいのCVが発生しているか?」という流入・サイトに関するチェック
「どのようなユーザがCVしているか?」というユーザ構成に関するチェック
上記をチェックすることで、実際の調査に入る前に、粗い初期仮説を得る事ができます。

何も知らずにここの解析をしてみても単なる数字しか出てきません。しかし、誰かと話してから見てみるとどの数字がどうなれば良いのか?が見えてきます。そうるするとどんどん改善案も出てきますよね。

上記のチェックを行うと、多くの場合、現行サイトで発生していると想定される課題、検討するべき事項が浮かび上がってきます。それらの仮説をもっ、てサイト内のアクセスログや各種広告のレポートなどをご確認頂くと、現在の課題について精度の高い初期仮説を得る事ができます。

現行サイトの現状把握が一通り終われば、次はユーザ理解のフェーズです。今後のCV数向上の鍵を握ると考えられるユーザについて、ユーザ行動観察調査、インタビュー調査、アンケート調査などを実施します。その際も上記の仮説があることで、よりCVに近い箇所にフォーカスしたインプットを得ることが可能となります。

ここの費用がないことが多いので営業さんなどにお願いするわけですね。営業さんも自分が話したことがデータとして出てきて、それをもとに改善案が出されるので確認のための動きがしやすくなります。上司にも説明しやすいですし効率的ですから。

■まとめ

誰に何を見てもらってどうしてほしいのか?が分からないと解析する意味がありません。そのためにはいろんな人と話して情報を収集する必要があって、集めた情報をまとめておくことで関わる人たちの共通認識もできますし引き継ぎの資料にもなります。

Webサイトという閉じた世界で考えるのではなくて目の前にいる人間のことを考えて行動してみると気付くことがたくさんあるはずです。まずはPCの電源を切って他の部署やクライアントと話をしてみましょう。全てはそれからです。