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「デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法」を読んだ

オイシックスドット大地で執行役員を務めている西井敏恭さんが書かれている、ネットショップを運営してい人は必読の本です。テクニック面の話は少ないですが、売上を確実に上げていく方法が詳しく書かれています。

年間売上=新規顧客売上+既存顧客売上×継続率

という当たり前の公式の大切もよくわかります。

1~4章は誰もが必ず読むべき!

  • 1章 デジタルでマーケティングは何が変わったか
  • 2章 顧客と売上を「新規」と「リピート」に分解する
  • 3章 「F2」の壁を超えるには
  • 4章 CRMは心理学である

といったあたりが書かれています。

で、なんといっても超重要なのは21ページにあるこの図

デジタルマーケティングの全体像(デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法P.21より引用)

これだけはしっかり覚えて欲しいというか、ネットショップに関わる人は知っておいてほしいです。

どうしても「初回購入」に目が行きがちですが、優先度が一番高いのは「上記の仕組みを把握して、自社ビジネスの現状を整理する」となっているところと、優先度が二番目になっているのか「2回目の購入」となっているところです。

ここがわかったら、3章の「F2」の壁を超えるには、を読んでおくとすっきりすると思います。

自社ビジネスの現状を知る

これはいわゆるSWOTだったり、3C・4P分析だったり、顧客分析だったりするので、そもそもマーケティングの基本ができていないとデジタルマーケティングでどうにかしようと思っても無理ということですね。自社の商品がなぜ売れているのか?を知らないネットショップ担当者の人も意外と多いので、何かをする前にここにじっくり取り組みたいです。

売れている理由は、安いとか早いとか商品点数であることって実は少ないはずなので、ちゃんと把握しようとするとなかなか難しいです。インセンティブ付きのアンケートだと漠然とした内容になりがちですし、コミュニケーションが取れていないと、聞いてみてもなかなか本当のことはわかりませんからね。オイシックスさんの場合は社長自らがお客さんのおうちに行くという方法を取っていますので、それぐらいのことはやる意気込みがないとうまくいきません。

定期ミーティングで経営層が話す内容だったり、経営方針だったり、カスタマーサポートだったりといろんな人たちの話も漏れなく聞いておいて、自分の中で全体の動きをつかんでおくことも大切です。上流からの流れにうまく乗ってその勢いを加速させるイメージです。とにかく視野を広げることですね。

2回目の購入

これって本当に難しいんですよね。お客さんが自社で買わない理由なんでいくらでもありますから。

検索したら他社が出てきた、他社のポイントが還元率が良かった・送料が無料だった・クーポンがあった、モールで他の商品のついでに買った、などなど数えたらきりがないほどです。

この幾多の試練を乗り越えて、自社でもう1回買ってもらえるということはとってもありがたいことなのでいろいろと施策を行うんですが、ここが作業的なショップって多いです。いわゆるステップメールだったり、リターゲティング広告だったりをなんとなくやっているショップですね。

ここの施策だけを見てしまうと効果的な施策が浮かばないのは明白です。なぜかというとお客さんを見ていないからです。機械的なステップメールって、あ~そうですかとしか思わないし、買ったばかりなのにリターゲティングで広告で追いかけられても買わないですよね。

作業でやっているもので開封率とかCVRだけを追い出したら、ますますよくない方向に加速していきます。タイトルのつけ方などの小手先のテクニックに走ってしまってお客さんは全く見ないことになっていきますから。

どうするかというと、くどいようですが「自社ビジネスの現状を知る」ことです。ここに尽きます。

2回目に買ってくれた理由を把握して、それがスムーズにいくように心地よいタイミングで提案する。

心地よいタイミングを考えるときは、事実に基づくカスタマージャーニーマップみたいなものを作ってみると良いです。机上で考えただけの妄想カスタマージャーニーマップを作って、動かしながら調整していくのもいいですが、どちらがやりやすいかは自社の状況で判断するということで。

ここまでが上手く回れば、売上も安定しますので他の施策をやる余裕もできて、良いサイクルが回ります。

5~10章は個別の書籍やセミナーなどで深く理解を

ここはさらっと書かれています。細かいテクニックを語る本ではないからでしょうね。

考え方に触れているだけなので、こういったやり方があるんだと理解すればいいと思います。

 

というわけで、ネットショップの売上がなかなか上がらないという人はこの本を読んでみてください。

やるべきことがわかってくるはずです。

 

※前半しか読んでない、ってことではないので