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GA4がよくわからん。となってしまう5つの理由。

GA4、導入しないといけないと思っていても、さっぱりわからんからやる気がしなくてどうしよう?ってなる時がありますよね。私も数か月前まではそんな感じでした。正直なところギリギリまで逃げ回りたかったんですが、そうもいかなくなったので勉強することに。

ではなんで「わからん」となってしまうのでしょうか?そこがわかれば対応もできるので「わからん」理由と解消法をまとめてみました。

「Google アナリティクス」と名乗っているところ

ここがわからなくしている一番の原因です。Google アナリティクスと名乗っているので、今までのGoogle アナリティクスの延長線上にあるものだと思ってしまうんですが、全くの別物で生まれも育ちも違っています。

今までのGoogle アナリティクス

UrchinはGoogleアナリティクスの元となった製品。グーグルに買収されGoogleアナリティクスがリリースされた後も、Urchinはサーバーインストール型のアクセス解析ツールとして提供され、主に金融系や行政機関などのようなアクセスデータを外部に送信できない組織のWebサイトなどで利用されてきた。

Urchinの開発終了をグーグルが発表 既存ユーザーはGAへの移行を推奨 | Web担当者Forum

とありますようにUrchinというアクセス解析ツールから生まれたのが今までGoogle アナリティクスで、これがバージョンアップされていってユニバーサルアナリティクスまで進化したわけです。

皆さんご存じの「utmパラメータ(カスタムキャンペーン)」のutmはUrchin Tracking Moduleの略称なのでここにUrchinの名残があります。

Urchinは使い勝手のいいツールだったのでGoogleに買収されたときは残念だった記憶が。

GA4

GA4と名乗る前は「アプリ+ウェブ プロパティ」と名乗っておりました。
Google アナリティクスというブランド名の中に「アプリ+ウェブ プロパティ」という概念が生まれます。

その「アプリ+ウェブ プロパティ」は「Google アナリティクスfor Firebase」から進化したものです。ここでまたGoogle アナリティクスという名称が出てくるのがややこしい。

今までGoogle アナリティクスを利用してウェブサイトはGoogle アナリティクス。モバイルアプリはGoogle アナリティクスfor Firebaseを利用して計測していました。しかし計測されるデータは基本的に同じプロパティではなく別々のプロパティに格納されます。また、Google アナリティクスとGoogle アナリティクスfor Firebaseではディメンションや指標の定義が異なっていました。

「アプリ+ウェブ プロパティ」では、プロパティの中に新しくデータを蓄積する「データストリーム」という概念が導入されました。ウェブサイトは「ウェブストリーム」。モバイルアプリは「アプリストリーム」の単位で計測され、レポート上は同じディメンションや指標で集計されるようになりました。

アプリ+ウェブ プロパティ(App+Webプロパティ)とは? | アユダンテ株式会社

こんな流れです。

では「Google アナリティクスfor Firebase」はどこから生まれたかというと「Firebase Analytics」から生まれています。FirebaseのAnalyticsツールということですね。今度は「Firebase」が何かということになるんですが、こんなツールです。

Firebaseは、iOS/AndroidアプリやWebアプリケーションの開発に活用できるプラットフォームです。mBaaS(エムバース)の一つであり、2011年にFirebase社がサービスを開始しました。2014年には、Google社に買収されたことで、知名度が上がりました。

Firebaseはアプリ開発における「バックエンド環境」を提供するサービスです。バックエンド環境とは、ユーザーには見えない、アプリの裏側の動作のことを指します。

データのリアルタイム同期など豊富な機能を持ち、利用目的に応じて組み合わせて使用できます。

Firebaseとは?Google社の強みを活かしたメリットや…|Udemy メディア

またもやGoogleが買収したツールでざっくりいうとアプリ開発に使われるものです。

その中の機能の一つとして「Firebase Analytics」が提供されていたということになります。

つまりアプリ用の解析ツールで、今までのGoogle アナリティクスとは生まれも育ちも違うということです

お家が断絶しそうになった時に有能な婿養子を迎えて家を継がせるイメージですね(とてもわかりづらい)。

別物という認識を持つことからスタート

ウェブサイトの解析ツールとして生まれた今までのGoogle アナリティクス、アプリの解析ツールとして生まれたGA4。

名称も取れているデータも似ているようですが、完全に別物なので違うツールという認識を持つことからスタートしましょう。

今まではこれができたのに…と思う前に、そもそも別物だから仕方がないというあきらめが肝心です。

というか、始める前にあきらめろってどういうことなんでしょうか。

数字が合わない

今までのGoogle アナリティクスとGA4の数字を比較して合わないので「なんで?」となるんですよね。

前述のように生まれも育ちも違うので数字が合うわけがありません。

なので、なぜ合わないかを追求するのもあまり意味がありません。マニア気質の人だけ追及していただければいいと思います。

それじゃ困る!という人は「無料」ということを忘れています。無料にはこういったリスクがあるんですよね。360ユーザーに恩恵があったかといわれると…ですが。

合わないのが正解だと思って使いましょう。

左側のレポートが減った

今までのGoogle アナリティクスでは120個ほどのレポートがあって、どれを見ればいいのかわからない?が定番の質問でした。その代わり、なんとなくポチポチとレポートを見ていればわかることもあったので便利だったわけです。

GA4の場合は今のところ16個しかレポートがありません。なんとなくポチポチとレポートを見ることができなくなったので、何をすればいいのかさっぱりわからなくなってしまったんですよね。

GA4はレポートのスナップショットとサマリー(もしくは概要)を見よう

この5つから見よう

ここです。サマリーなのか概要なのか統一してほしいところですが、いつか知らないうちに勝手に変わるでしょう。詳細レポートはスナップショットかサマリーから行けるので左側のメニューをクリックしなくてもいいです。しかも、サマリーからしか行けない詳細レポートもありますから。

※詳細レポートでプライマリディメンションを変えれば見られるレポートもあります

収益化はeコマース設定がされているときに見て、維持率は見なくても問題ないです。

とりあえずレポートのスナップショットが便利

赤枠のところの詳細を見れば何とかなる
  • 全体のユーザー数を見る
  • 新規ユーザーを獲得しているチャネルを見る
  • 新規も含んだ全体でユーザーを獲得しているチャネルを見る
  • アクセスされている地域を見る(詳細レポートで市区町村などが見えられます)
  • 閲覧されたページを見る
  • コンバージョンを設定していたらそれを見る

という流れです。

このあたりは今までもチェックされていたと思いますので、このあたりから入っていくとスムーズに理解できます。

さらに細かいところを見たい場合は、各サマリーレポートから詳細を見てみるといいです。

知らない用語が出てきた、慣れ親しんだものがなくなった

エンゲージとかエンゲージメントとかスクリーンとかイベントってのは今まであまり見なかったですよね。

代わりに直帰がなくなってランディングページは左側のメニューからは見ることができなくなりました(探索から見られます)。

生まれも育ちも違うのでこうなってしかるべきではあるんですが、「Google アナリティクス」と名乗るからには用意してほしかったですよね。

用語に慣れるしかない

英単語を覚えるかのように用語に慣れるのが一番早いです。わからない用語が出てきたらメモをしておいて、Googleで検索したり誰かに聞いて覚える。の繰り返しです。

その用語が何なのかを調べて、探索レポートで使ってみると、なるほどね。となります。GA4を使うための準備運動というか基礎知識というかそんな感じです。

ここをクリアすればかなりGA4のことがわかってきますので、面倒ではありますがここからスタートしてください。

個人的な感覚は10~30時間ぐらいGA4に張り付いていればわかってくると思います。1日1時間なら2週間~1か月半ぐらいでしょうか。

セミナーとか記事で説明されていることが難しい

ユーザーが基準になりました。イベントデータをとるようになりました。機械学習が使えます。探索レポートはこう使います。と言われたところで難しすぎるわけです。

まずは触ってみて、画面に慣れて、わからないことがわかって、それからセミナーに参加したり記事を読みましょう。

仕様を先に理解しようとすればするほど難しくなっていきます

何度も述べているように、今までのGoogle アナリティクスとは別物なのでそこのを違いを理解しようとするよりは、用語と画面に慣れること。これです。

この2つのウェブサイトだけを見る

Google Analytics 4 ガイド – アクセス解析ツール「Google Analytics 4」の実装・設定・活用のための情報サイト

トップページ – GA4 Quick.com

わからないときはここだけを見ておきましょう。頭から全部理解しようするとパンクしますので、ブックマークしておいてわからないことがあればこの2つのサイトで探すようにする。

GA4が話題になったせいでセミナーも記事も乱発されています。たくさんのサイトを見ると微妙に違っているところがあって「どれが正しいの?」ってなりますよね。書く人によって考え方も言い回しも異なっているので、1つのサイトを見続けたほうが理解しやすいです。

余談ですがマーケティングのフレームワークなども1つか2,3のものをマスターするまで使い続けるほうがいいです。マスターする前に新しいものをどんどん導入するとうまくいきません。

挙げた2サイトは中身も詳細ですし説明も丁寧です。セミナーに参加するときも小川さんか中田さんのセミナーに参加してみるといいですね。

ここに書かれていることがわかってきたらほかの人の話も聞いて知見を広げればいいです。

まとめ

楽をして理解しようとしないことが大切です。

今までの知識はほとんど役に立たないというか邪魔なぐらいなので、まっさらな気持ちで地道に勉強していきましょう。楽をしようとして無駄に10時間過ごすよりは、ひたすら用語の理解に時間を使ったほうが有意義です。

GA4はまだまだ進化というか変化をします。

基本がわかっていれば変化にも対応できるので、つまらないまとめですがこのあたりから始めてほしいと思います。