GA4のデータと定性データと生成AIで集客とページの改善をする方法

AIにアクセス解析をさせると、改善案らしきものが出てきますよね。
SEOを頑張りましょう、広告の改善をしましょう、ボタン(CTA)を目立たせましょう、ファーストビューを見直しましょう、導線を整理しましょう。だいたいこのあたりです。
内容自体が間違っているわけではないんですが、それを見て「なるほど、じゃあ次はこれをやろう」とすぐ決められるケースはあまり多くありません。そりゃそうだよねって内容ですし、具体的にどうすればいいのかわからないからです。
ここで止まってしまう理由は、AIの性能でもGA4の問題でもありません。判断の基準がない状態で改善案を出させている。これが一番大きな原因です。
※[福岡開催] 11.14|売上アップにつなげる無料サービスを使ったLP&Webサイト改善!ヒートマップ x GA4 x AI で紡ぐ分析テクニックを公開します
から一部抜粋して紹介します。
基準がないとAIが出す改善案は良くならない
GA4などのアクセス解析の数値には、絶対的な正解がありません。
たとえば、エンゲージメント率が60%は高いのか低いのか、平均エンゲージメント時間が1分は短いのか、スクロール率が50%で止まるのは問題なのかどうか。あるサイトではそれでいいだろうし、あるサイトではだめだったりします。我々の経験則からしてこれぐらいというのがあったとしても、AIはそれを知りません。場合によって判断が変わるので教えるのも難しいです。
GA4にはベンチマークの機能がありますが、相対的なものであって絶対的なものではありません。業界へ平均を目指しましょう!って話したところで、上司に「なんで?」と言われた終了です。会社として取り組むのになんとなくではだめですからね。
つまり、数字だけを見て「良い」「悪い」を決めるのは無理があります。というか、それを決めるのがとっても難しいわけです。
そうなると、別の基準が必要になって、「誰の行動としてこの数字を見るのか」という視点があるとなかなか便利なのです。
数値の基準が決められないなら判断軸を人に移す
数値で基準を作れないなら、無理に作らなくていいです。
やりたいことはウェブサイトの改善であって、絶対的な基準値を作ることではないですから。
その代わりとして私は判断軸を人に移していまして、実際のユーザー調査などは大変なのでペルソナを作って判断してもらってます。ウェブサイトは誰のためのあるのかというとユーザーのためにあって、そのユーザーに何かをしてほしいからデータを取ったりするわけですから。
ここで使うペルソナは顧客像を明確にするためではなく、あくまでAIが判断しやすくするのと、人間たちの判断を揃えるための基準です。ペルソナというよりも想定ユーザーと考えるといいのかもしれませんね。
知りたいのはこのあたり。
- このページを見ているのはどんな人か
- その人はどんな前提知識を持っているか
- どの時点で不安になるか
- どの情報が出てこないと離脱しそうか
ペルソナは考えるものではなくデータから作ることができる

ペルソナ作成というと、会議室で付箋を貼りながら作るイメージを持たれがちです。
それをやってしまうと、どうしても「こうだったらいいな」という希望が混ざりますし、自分たちの都合の良いものになりがちです。そんな人どこにいるの?みたいなオチ。
私が使っているはデータから作るペルソナです。そして、主観を減らしてズレを見つけるために複数の視点を並べます。
使うのは次の4つです。名前は自分で勝手につけただけなので何でもいいです。
- 集客
- ページ
- 調査
- ボイス
これらを作成したら必要に応じて、統合したりギャップ分析をしていきます。どのペルソナも1つの側面しか表していないですし、ズレが出てくるのでそこを埋めるということですね。
集客ペルソナは実際に来ている人を表す

集客ペルソナは「集客されているユーザー」を表します。
意図をもって狙って集めていることもあれば、記事やSNSをなんとなくやっていて集まってしまっているときもありますし、代理店任せでどうなっているのかわからないときもあります。ここでは結果的にそうなっている、がわかります。
やり方は簡単で、GA4のユーザー属性概要、環境概要、集客サマリーのデータをPDFにエクスポートしてAIに聞くだけ。Google Search Consoleの検索クエリがあればそれも使います。検索クエリはまったく関係ないものがあれば除外してから使って下さい。
このペルソナは実際にサイトへ来ている人の情報なので、ちゃんと集客ができていれば現実にかなり近いです。
注意点は以下。
- 広告代理店の設定や運用方針の影響を受けやすい
- 過去の施策の名残がそのまま残ることがある
- 本来狙いたい層とは違う人が多く来ているケースもある
- utmパラメータの設定が間違っていたりしてもうまくできません
ページペルソナは作り手が想定している人を表す

ページペルソナは「そのページが誰向けなのか」がわかります。
あなたのページはこう見られてますよ。がわかります。制作会社や社内が「こういう人に来てほしい」と考えて作った顧客像ですね。
でも、ひょっとしたら政治的な要因でごちゃごちゃになっているときもあるでしょうし、「目立たせたい」という理由でバナーだらけになっているかもしれません。
これも簡単でLPやWebページのURLを生成AIに入れて聞くだけ。わかるのはこのあたり。
- 何か載っているのか
- 誰向けになっているか
- 作ったときの意図と実際のページのギャップ
調査ペルソナは現場が知っている顧客像

調査ペルソナは「自社の最前線の人が感じる顧客像」がわかります。
営業やサポート、現場担当者へのヒアリングシートをAIに入れて聞くだけです。
ヒアリングシートがないときはAIに「うちの得意先のユーザー像を営業さんにヒアリングしたいので、ヒアリングシートを作ってください」。みたいな指示をすればさっと作ってくれます。ヒアリングシートを渡しても書いてくれないときもあるので、その場合は自分から赴いて聞いてみましょう。
実際のユーザーなので精度が高くなりますが、偏るというかガチガチのペルソナしかできないのがちょっとだけネック。
ここでは以下のような情報が入ってきますので、かなり具体的になります。
- 実際によく聞かれる質問
- 商談で止まりやすいポイント
- 決裁までに時間がかかる理由
- 表では言わない本音
数字には出てこない情報ですが、改善を考える上では非常に重要です。
ボイスペルソナは実際に買った人の声

ボイスペルソナは「実際顧客が思っていることや望むこと」がわかります。
事例やお客様の声、インタビューから作ります。
すでに購入や契約に至った人の情報なので、答えに一番近いですし、いろんなパターンが出てくるので使いやすいです。特に事例インタビューがたくさんあると便利ですね。NotebookLMを使ってもいいです。
過去の経験上、事例インタビューが業種とか規模などによって分かれているとものすごくよいものになります。toCの場合は楽天にありそうな「迅速な配送でした」みたいなのは除いて、ちゃんとした声を集めたものを使って下さい。
わかるのはこのあたり。
- なぜそのタイミングで動いたのか
- どこまで比較検討したのか
- 最後の決め手は何だったのか
調査ペルソナと組み合わせることで、顧客像の解像度は一気に上がります。
ボイスペルソナと調査ペルソナを統合する

最終的な基準となる統合ペルソナを作成します。統合ペルソナでは、調査ペルソナとボイスペルソナを軸にして、実際の顧客像に一番近い形へまとめます。
こうして作った統合ペルソナが、改善を判断するときの共通の軸になります。この人ならどう感じるか、この説明で理解できるか。この視点を固定できるのが、統合ペルソナの役割です。
ここで違和感を感じる場合はヒアリングシートがちゃんと書かれていなかったり、事例記事の内容が薄いことを疑って下さい。
集客ペルソナとページペルソナのギャップを見る
最終的な目的である集客とページの改善をしたいので、統合ペルソナとのギャップを見ます。
両方のペルソナのドキュメントを入れて聞くだけです。
集客ペルソナと統合ペルソナ


具体的な内容が書かれていますのでぼかしています。
こんなキーワードが良いとか集客ターゲットを変えましょう、みたいなことを具体的に言ってくれます。
ページペルソナと統合ペルソナ


こちらもぼかしてます。
ペルソナ向けにページの内容にこれを追加、これを削除みたいなことを言ってくれます。
これで改善点はそこそこわかります。
過去の経験上、そこそこちゃんとしているので納得感があるものが出ていないでしょうか?
これが答えではなくて「叩かれ台」だと思うこと
「AIと考えた」と言う=意見が出てくる

「AIと考えた」と言うと、基本的に文句が返ってきますよね。「ここが違う」とか「あそこが違う」とか「そもそもこれがおかしい」とか。日ごろ意見を言わない人ですらバンバン言ってきます。ということは、「AIと考えた」と言う=意見が出てくる、ってことになりますよね。
皆さんがAIの改善案が使えないといっているのは、AIが出したものを答えだと思っているからです。
そうではなくて、改善の議論となる「叩かれ台」を作ったと思えばいいです。
どうせ文句を言われるのなら、それを活用しない手はないです。
意見をAIでまとめて改善案に反映

AIが出した改善案への文句を録音、もしくは録画したデータをAIにまとめてもらって「改善案に対してこんな意見が出ました。統合ペルソナの観点から考えて下さい」。みたいな指示をするといろいろ言ってくれます。
それを見て自分が考えた完成版を作ればよいものが出来上がります。
AIは答えを出す存在ではなく基準を共有する相手
AIは正解を持っている存在ではありません。基準を共有して一緒に考える相手です。
改善案が出ないのはAIが悪いわけではなくて、判断の基準を渡していないだけです。
ペルソナを基準として渡す。その状態でAIと一緒にデータを見る。
そして、AIが出したものを答えではなくて議論の土台であると思えば良いわけです。
簡単にできるので皆さんもやってみて下さいね。
2026/2/4(水)に開催されるデジタルマーケターズサミット 2026 Winterでは、このあたりの内容を含んで、さらにヒートマップ(Clarity)も使ったもっと具体的な改善方法について説明しますので、お時間のある方はご参加下さい!
