運営堂ブログ

「小さい会社のウェブマーケティング必勝法」を運営堂のやり方から読み直してみたら何も変わってなかった

運営堂のマーケティング活動を整理した話を、前回書きました。集めて、加工して、出す。それが一周まわって、また依頼が来る。最後に、速く回すよりも止めないことのほうが効きます、という内容です。

書き終わってから気づいたんですが、止めないためにどうしているのかは書いていないんですよね。強迫観念的に無理やりやっている感じで、構造は出したけれど、それが毎日回っている理由は書かれていないです。

止めないための仕組みで思い当たったのが、以前書いた「小さい会社のウェブマーケティング必勝法 (リンクはアフィリエイト)」。ホームページ担当者になった人が3ヵ月で何をするか、という内容の本です。改めて読み返してみたら、前回書いた内容がそのまま毎日のルーチンとして並んでいました。

ページ数も書いておきますので、本をお持ちの方は参照しながら読んでみて下さい。

集める

集めるのは6つの経路があって、24時間ぜんぶ集めているような状態だと前回書きました。

本には時間が書いてあります。

  • 「聴く日経」を聞く:毎日20分(p.47)
  • ウェブ関連ニュースチェック:毎日10〜20分(p.48)

24時間集めていると言いながら、10分とか20分とかで区切っている。区切っている理由は、忙しいときでも確実にルーチンをこなすことが重要だからです。

集めすぎない(p.48、p.54、p.60)

少し流れを整理するとこうなります。

情報収集は、変化を見逃さないために行います。だからこそ、継続的に同じジャンルを見ておかないと、その変化には気づけません。そのうえで大事なのが、「ちょっと足りないかな?」と思うくらいの量を続けることです。

最初から範囲を広げすぎるとルーチン化しにくくなりますし、集めすぎると処理しきれなくなります。週報のパートでも、わからないまま残ったものは次週のテーマにすればいいので、最初から情報を集めすぎない、と書きました。

定番のサイトが頭に入っていれば、毎回すべてを見る必要もありません。前回までの状態を知っているからこそ、そこから変わったところだけを見ればいい。情報収集は、毎回ゼロから全部を追いかけることではなく、同じ場所を見続けながら「差分」を拾っていくことなんだと思います。

選ぶことと読むことを分ける(p.50)

細かいところなんですが、移動中のチェックでは内容を読まずにピックアップだけに集中する、と書いていました。理由は、選ぶことと読むことは頭の使いかたが異なるからです。

気になったものはあとで読む用に保存しておいて、読むのは別の時間にする。ひとつのことに集中する、という書き方をしています。

加工する

加工のほうは5つに分けていました。寝かせる、選別する、形を変える・並べ替える、確かめる、溜めておく。

本ではこれが日報と週報になっています。

日報に残す(p.51)

やったこと&知ったことをメモして日報で共有:毎日10〜20分。日付、ジャンル、やったこと、見たサイトのURL、気づいたこと、わからなかったこと。

書き方の条件がひとつ付いていました。半年後に見てもわかる内容にするです。後からコンテンツ化するためのネタとして残すので、そのときの自分にしかわからないメモでは使えないんですよね。

もうひとつ、気になった点を日報に書いておくと、翌日以降の情報収集で該当するコンテンツが見つかってくる、とも書いていました。溜めたものが、次に集めるときの目印になっている。集めると加工が一方通行ではないという話ですね。

週報で振り返る(p.53)

日報の内容を振り返る週報提出:毎週or隔週、平日に30分程度。補足したいこと、新たに知ったこと、解決したことを追記していきます。

日報と同じようにわからないまま残っているものは、次週のテーマとして重点的に情報を集めていく。

だから最初から集めすぎなくていい、という順番になっています。何を集めるかは、先週の振り返りから出てくる。決めて追う対象が、毎週更新されていく感じですね。

寝かせる(p.140)

校正のところに、守っているルールが3つ書いてありました。

  • 別の手段で見る
  • 1日寝かせる
  • 社内の別の誰かに見てもらう

Wordで書いたならPDFにするか印刷する。ウェブなら公開前にプレビューで見る。なぜか別の手段で見ると誤りが見つかる。

1日寝かせるのは必須、とも書いています。翌日読み直すと、昨日の自分は具合でも悪かったのかなと思うくらい間違いが出てくる。

直しすぎない(p.141)

そのうえで、過度に修正する必要はない、と書いてありました。考えすぎると筆が進まないし、内容も堅くなる。意味がわからない部分と誤字脱字は直すとして、それ以外は個性として許容したほうがうまくいきます。

止まらないための条件がここにも入っています。

出す

素材がそろってから始める(p.54)

1週間ぐらいかけてゆっくり記事を書く:隔週or毎月。

何を書けばいいのかわからない人が多いので、ルーチンでピックアップしている情報をもとにまとめ、素材がある程度そろった状態から始めましょう、と書いていました。

書くことを探すのではなく、集まっているものから書く。集める・加工するを先に回しておくと、出すときに困らない、という順番ですね。

きれいでなくていい(p.55)

最初から良いものを出そうとすると何も書けなくなるため、きれいな文章でなくても問題ありません、と書いています。そのときの自分のベストを出し切ることを考えましょう、と。

そのあとに、しばらくして書いたものを見ると直したいところが出てきますから、それを次のコンテンツに活かせば良いと続きます。一周するたびに前より少し分かっている状態で戻ってくる、らせん階段みたいな感じだと書きました。同じことが、次のコンテンツに活かすという書き方で出てきていました。

一本ずつ完成させるのではなく、次で直す前提で出す。そうしないと止まるんですよね。

【図1:三段に時間を重ねたところ】

出したあと(p.28〜35)

出して終わりではないので、そのあとの手順も書いてありました。作って、画像を用意して、TwitterなどのSNSに投稿して、反応を見て、メルマガでも触れる、という流れです。Twitterという言葉が懐かしい…。

ひとつは、自動にするところと、しないところを分けていること(p.32)。ブログを公開すると各所に自動で流れるようにしてあるんですが、個人のアカウントは自動にしていないと書いていました。ちょっとしたコメントを入れられるからです。とにかく人となりが伝わることが大切、と。決まった枠で出すものと気ままに出すものを分けましたが、同じ話ですね。全部自動にすると楽なんですが、そうすると人となりが乗る場所がなくなって発信する意味がなくなってしまいます。

もうひとつは、出したあとに反応を探しに行くこと(p.33)。社名やハッシュタグで検索して、自分たちのコンテンツが他人にどうとらえられているかを見て、返事をする。否定的なものを見つけたら、反射的に突っかからずに、お茶を飲んだりおやつを食べたりして気を落ち着かせてから対応する、とも書いてありました。

この前の記事で集める6経路のひとつに「向こうから来る」を挙げました。読者からの反応や指摘です。あれは経路として書いたんですが、本のほうでは取りに行く動作として書いてありました。待っているだけではなく、探しに行っている。

出したものが、次に集めるものになる。ここで一周つながります。

頻度の違うものが混ざっている(p.130)

コンテンツを3種類に分けているところがありました。

  • ブランディングコンテンツ:企業や社員が何をしているのか知ってもらうもの
  • 強みコンテンツ:既存顧客やOB・OGに聞いて作るもの
  • ユーザー起点コンテンツ:よくある質問に近いもの

このうち強みコンテンツは、すぐには作れないので四半期〜半年ぐらいのスパンで作成、見直しをしていきましょうと書いてあります。

毎日書くものと、半年に一度のものが、同じ枠組みの中に並んでいるんですよね。

同じペースでは回らない

日々のルーチンで出るものは、毎日か毎週か毎月です。強みは、人に聞いて、文章にして、社内に見てもらって、しっくりこなければ調査からやり直す。時間の単位が違います。

全部を同じペースで回そうとすると、遅いほうに引きずられて止まるか、速いほうに合わせて雑になるか、どちらかになります。分けておくと、毎日のものは毎日のペースで回せる。

出すのを5種類に分けたときも、決まった枠で出すものと、呼ばれて出るものと、整え直すものが並んでいました。あれも頻度がバラバラなんですよね。同じところに置いていないから、それぞれのペースで回っている。

【図2:速さの違うものが同時に回っている】

強みは自分では見えない(p.133)

ついでに書いておくと、強みコンテンツの作り方が変わっていました。

「会社の強みは何ですか?」と聞くのはダメだと書いています。正確に答えられる人がいればすでに資料になっているはずだし、社内にいると気づかないことも多いので聞くだけ野暮だと。

営業に聞くと短納期・低単価・フットワークが軽い、あたりが出てくる。これは得意先に都合よく使われている証明でしかないので、除外して残ったものが強みでは?と考える。

そのうえで、文章にして社内の人に見てもらう。しっくりこないなら、調査か文章がよくないか、社内と社外の評価が食い違っているか。

加工の工程に「確かめる」を入れました。人に話す、実際にやってみる、数字や一次情報で裏を取る。強みを作る手順は、まるごとこれですね。

3ヵ月でひとまわり(p.58)

本のルーチンは、3ヵ月続けてみてください、という書き方になっています。

はじめの3ヵ月は準備期間だとして頑張ることができれば、急に見える景色というか記事のとらえかたが変わってきて、成長を感じることができるはずです。

期限というより、変化が出るまでの最短の長さという感じですね。ここまで回ればあとは同じことを続けるだけになります。

先行逃げ切り型

ガントチャートを作って可視化しましょう、という話が出てきます。そのポイントとして、始まりの日に3〜5割ぐらいの作業を終わらせておくことと書いてありました。

はじめだからとのんびりしていると、後からやっていないことが出てきて、最後に間に合わなくなってやる気もなくなる。3ヵ月継続するには、追い込み型ではなく先行逃げ切り型にならないといけません。

続けられなくなるのは、たいてい後半なんですよね。前半に余裕を作っておく。

新しく始めるなら、古いものを減らす

これが一番効いているところかもしれません。

新しくルーチンで何かをしていくのは意外ときつい。なぜなら、今までの自分のリズムの中に別のルーチンを入れ込んでしまい、やることがあふれてくるから。だから新しくルーチンを始めるときには、それを基準として今までのルーチンの無駄を減らしていきましょうと書いていました。

基準が変わると、今までのルーチンの無駄がたくさん見えてくる。引っ越すときに無駄なものがたくさん出てくるイメージで、断捨離は基準を変えることからです。

足すだけだといつか入らなくなって止まります。

それでも続かなかったもの

ここまでは、減らすことで続けるという話でした。ただ、個人的には減らしても続かなかったものがあります。

Notionにコンテンツを溜める、ブログを定期的に出す、ノウハウをまとめる、スケジュール管理。どれも始めましたが、続きませんでした。並べてみると共通点があります。困るのが自分だけなんですよね。止めても誰も気づかないし、誰にも迷惑がかからない。

逆に、続いているものは全部、決まった日に決まった形で誰かに届きます。毎日堂は毎朝メールで出ますし、ポッドキャストは曜日が決まっている。出さないと分かってしまう。

外に作った

去年の秋からコーチングを受けていて、今年からアシスタントさんにも入ってもらっています。
※コーチングとアシスタントさん効果で3倍働けるようになった

コーチングは月に1回1時間ぐらい話すだけです。事前に今考えていることや進んでいないことをドキュメントに書いておいて、それを見ながら話す。一人だと相談相手がいないので意思決定が難しいんですが、質問で引き出してもらっている感じですね。

効いているのは人に言ったことはやらないといけない、という部分です。一人で来月までにやろうと思うのと、人に来月までにやりますと言うのは全然違うんですよね。ないと思いますが、「森野さんって言うけどやらないよね」ってどこかで言われてしまったら信用失墜なので(笑)。

アシスタントさんには自分に欠けているところと、ものすごく苦手なところをやってもらっています。何かに転記するとか、消し込むとか、案件進捗の管理です。ホント、ダメ。できません。

やってみて分かったのは進み出すと楽しくなるので続く、ということでした。今やっていることも、今まではやろうと思わなかったものです。いろんなことが整理できて時間ができたから、手が出せるようになったんですよね。

本に書いてあった

そう思ってやったわけではないんですが、あとから本を読み返したら、同じことが書いてありました。

日報で共有する、週報を提出する、社内の別の誰かに見てもらう。全部、他の人が絡む形になっているんですよね。担当者一人で情報収集をするだけなら、共有も提出も要らないはずなんですが、それをルーチンの中心に置いていた。

当時は担当者向けに書いていたので、社内に人がいるのは当たり前だと思っていました。一人でやるようになってから、そこが抜けていたという感じです。

まとめ

読み返してみるとやっていることは本を書いたときとほとんど変わっていませんでした。

時間を区切る。集めすぎない。少し足りないくらいにする。寝かせる。直しすぎない。新しく始めるなら、古いものを減らす。

前回「止めないことのほうが効きます」と書きましたが、その「止めない」は、こうした細かい制限の積み重ねでできていたんだと思います。

一方で、減らすだけでは続かないものもありました。そこは一人で何とかするのではなく、他の人に入ってもらう。コーチングやアシスタントさんに関わってもらってから、ようやく動くようになったものもあります。

しかも、それは本に書いておきながら、自分では気づいていなかったことでした。

結局、どれも「たくさんやるための工夫」ではありません。やりすぎないための工夫と、一人でやらないための工夫です。

改めて自分がやってきたことを振り返るといろんなことに気づくもんですね。