Google アナリティクスのMCPサーバーが出ていろいろ考えたこと。

AIがデータ分析の現場に浸透してきて、日々の仕事のやり方が大きく変わりつつありますよね。単に「AIを導入しました」というレベルではなくて、そもそもの仕事の流れや、必要とされるスキル、さらに学び方そのものにまで影響が出ていると感じていますので、考えたことをうだうだと。
データをとりあえずAIつなぐ時代に
これまでは人間が数字を見て判断していました。
勤怠の数字を見て「ちょっと残業多いな」とか、会計の帳簿を見て「この交際費は多すぎじゃないか」とか、GA4でレポートを眺めて「直帰率が高いな」とか。この手は見る人が見ればすぐにわかるけど、初めての人が見たら「なんでわかるの」となっていたもの。
なので、用語やら数値の意味するものやらを勉強して経験を積んで…という時間が必要でした。
しかし、これからはデータをとりあえずAIにつないで、AIが「ここがおかしい」とか「この傾向に注意」とコメントを出してくれるようになると思います。
- 勤怠データ → 「働きすぎ」の人と勤務時間詳細
- 会計データ → 「無駄遣い」と思われる科目と詳細
- GA4データ → 「コンバージョン率が低下中」みたいなのと要因と考えられるもの
このように、AIがいきなり教えてくれるわけです。
人間の役割はその結果をそのまま受け入れるのではなく、自分たちの業務や状況に合わせて解釈することにシフトしていくのかと。たとえば「働きすぎ」と出たしても繁忙期ならそれが普通かもしれませんし、無駄遣いに見える接待費が長期目線の人脈づくりかもしれませんし、コンバージョン率が下がったのは潜在層に広告を出稿したからかもしれません。つまり数字を読むというより「AIの指摘を理解して、実際の出来事と照らし合わせてみる」のが人間の仕事になっていきそうです。
というか、既にシフトしているところもあるのかと。
質問の質が変わる
GA4を例にすると違いがよくわかります。
これまでは操作や使い方に関する質問が多かったです。こんなようなのです。
- 「GA4の使い方がそもそもわからない」
- 「このメニューはどこにある?」
- 「レポートの作り方を教えて」
ツールの使い方を知りたいという声が中心だったんですよね。今後はこうなるのかと。
- 「AIがGA4の数字を見てこう言ってるけど、なぜ?」
- 「AIの提案を実行するにはどうすればいい?」
- 「AIの通りにやったのに結果が出なかったけど、どうすればいいの?」
質問の焦点が「操作」から「解釈と実践」に移っていくという感じ。
ツールを動かす力よりも、AIが投げかけてくるメッセージをどう理解し、どう現場に落とし込むかが重要になってきます。答えを出すのはAI。その答えを「どう料理するか」が人間の役割になる。レシピ通り料理を作るのはAIがやってくれるけど、食材の組み合わせや盛り付け方、食べる人に合わせた味つけを考えるのは人間側。そんな役割分担に近いと思います。
データの品質管理という新しい仕事
AIはとても便利ですが、そもそも入ってくるデータがゴミなら正しく動きません。つまりAIの力を引き出すには、データの品質をちゃんと保つことが必要です。
ここで出てくるのが「データのお世話」という仕事です。今までもやっている人はいると思いますが、もうちょっと日の当たる仕事になるのではないかと思いますし、なってほしい仕事。
主な作業
- 初期設定の精緻化:GA4のタグ設定や会計ソフトの科目の分類ルールをしっかり決める。
- 日次チェック:毎日「変な数字が入ってないか」を見る。特にゼロや極端な数字は要注意。
- 異常値の検出と修正:人為的ミスやシステム障害でおかしなデータが入ることがあるので早めに直す。
- データソースの変更管理:代理店を変えた、広告の媒体を追加したなど、データの入口が変わったときにしっかり把握して調整する。
たとえば代理店を変えたら、UTMパラメータ設定も変わってしまって、全然知らない参照元やメディアが出てくるというのは、ものすごくありそうですよね。AIにとっては「ゼロはゼロ」なので、そのまま解釈して「大変です!」とアラートを出すでしょうが、ちょっと慣れた人が見れば、あ~と思うだけで対処法までわかりますし、今月のレポートはどうしようと頭を抱えるわけです。
こうならないように、入口でできるだけチェックをする。日々の変化を見ておく。「データ分析」というより「データの健康管理」が仕事になってきそうです。
学習プロセスの逆転
学び方の順番も変わりそうです。
これまでは
- わからない
- 調べる
- 考える
- やってみる
- わかる
という流れでした。いわゆる「勉強してから実践」という王道パターンです。AIを使うようになると、おそらくこうなります。
- やってみる
- わからない
- 調べる
- 考える
- わかる
「とりあえず試す」が最初に来ます。
AIが仮説や方向性を提示してくれるので、まずやってみる。やってみて「うまくいかないな」、「なんでだろう?」と疑問が出てきて、そこでAIを使って調べたり考えたりする。こうして学びと経験が積み上がっていって、「これを実行するにはどんなリスクがありますか?」とかAIに聞くでしょうし、「詳しく学びたいので参考となる書籍やウェブサイトを教えて下さい」となるでしょう。
失敗のコストが下がっているのもポイントです。昔なら「1か月かけてやったけど間違ってた」とかありましたが、今はAIに聞いて試して1日で修正できます。小さい失敗を繰り返して改善できる環境になったのです。
作るのが簡単になった時代にこそ大事にしたい 小さく作る、あるいは作らない技術
人間はやるのは責任をとることぐらい
こうして考えていくと、AIの普及によって人間の役割はだいぶ変わってきます。
- AIの判断を文脈に合わせて解釈する
- データの品質を守る
- AIと人間の協働プロセスを考える
- 試行錯誤を速く回して学ぶ
このように、AIが提供する「最適化」の答えに対して、「なぜ?」という問いを立てて、ブランドの意図や長期的な戦略、社内の事情といった文脈と結びつけることが、人間のやることなのでしょう。
それにAIは(今のところ)責任を取ってくれませんので、最終判断をして結果を引き受けるのは人間側です。だからこそ、判断する力とか覚悟みたいなものが、これからますます大事になっていくんだろうなと思いますし、そうなると考える力とか経験が必要になって…あれ?結局、やる順番が変わっただけで学びがないとアカンということになりますね。
既にそんなことを考えていて、細かく説明してくれている人がいました。
もうしばらくの間は人間は楽できなさそうですね。
「AIによると成功率が99,99999%なので」…となるのか
映画とかでよくあるやつですね。なぜかこのものすごい低確率なことを引き当てるんですが、人間ならこういった時こそ危ないと思うはず。
AIもそう思ってくれていて、そこを考えて、その先の先…を考えてこの確率を出してくれるのかはわかりませんが、AIの言っていることの精度が上がってくると、考えたほうが非効率となってくるのかもしれませんね。
それでも、自分の生きている間は考えたいと思うのですが皆さんはいかがでしょうか?
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