喫茶店のおばちゃんにどう噂されているかを確かめる方法を整理してみました(LLMO・AIO・GEOの効果チェック)

いわゆるLLMO、AIO、GEOの対策をしたとして、その効果はどうやって確認すればいいのか迷いますよね?出始めのものって効果測定が遅れてきますからね。
で、以前に「AIに評価される」って喫茶店のおばちゃん対策のようなものだと思っているという記事を書きました。AIはネット上の情報をかき集めて「この会社はこういう会社だな」と推測しているので、噂話をしている喫茶店のおばちゃんと同じで、古い情報やちぐはぐな情報を放置していると変な噂をされてしまうという話でした。その続きとしてAIでウェブサイトが作れるのは喫茶店のおばちゃん対策の続きかもしれないという記事も書いて、AIのおかげで情報を整える手段が出そろってきた、というところまで考えてきたというか、うだうだと書いてきました。
さらに最近は、WordPressをやめてCloudflareとClaude Codeでサイトを運用する話も増えてきましたし、PHPの深刻な脆弱性(php2shell)が見つかったこともあって、サイトの作り方や運用の仕方そのものがいろいろと変わってきています。中小企業はどうしたらいいのかは、noteにまとめました。
今回はその次の話で整えたあとにAIからどう説明されているのか、その回答を見て誰かが来てくれているのかを確かめる方法です。
人間に向けてサイトを整えて、Googleにも伝わるように整えてきて、そこに3人目のユーザーとしてAIが加わった、という感じなんですよね。この記事でも、そのAIを噂好きのおばちゃんにたとえながら話を進めます。SEOであれば表示回数やクリック数、検索順位といったわかりやすい指標がありますが、AIでの扱われ方はそう簡単には数えられないので、私はいくつかの方法を組み合わせて確認しています。
噂のどこを見るのか
AI対策の成果というと「AIの回答に名前が出ること」をイメージしがちですが、実際にはいくつかの段階があります。名前が出ること、情報源として自社サイトが使われること、自社について正しく説明されること、AI経由でサイトに来てくれること、問い合わせや商談につながること、社名で検索してもらえるようになること、などです。それぞれ別のことなので、分けて考えたほうがわかりやすいですよね。
段階ごとに確かめる方法も違っていて、おばちゃんのたとえと合わせて整理するとこんな感じです。
| 段階 | おばちゃんで言うと | 見ること | 主な手法 |
|---|---|---|---|
| AIの中での認識 | どう噂されているか | 正しく説明されているか、どこを参照しているか | プロンプト入力 |
| 検索面での露出 | 噂話で名前が出ているか | AI概要・AIモード・Copilotなどでの表示や引用 | Google Search Console/Bing Webmaster Tools/Clarity |
| サイトへの流入と行動 | 噂を聞いて来た人が何をしているか | AI経由の訪問、閲覧ページ、キーイベント | GA4 |
| 問い合わせ | 来た人がどこで聞いたか | AIで調べたかどうか | フォーム・ヒアリング |
| 認知の広がり | 噂が広まって名前で探されているか | 指名検索の増減 | 指名検索・SNS・広告 |
おばちゃんが自分で買い物をしてくれるわけではないのと同じで、今のところAIもお客さんになるわけではありません。AIの回答がその先の人に届いて、初めて反応が返ってくるんですよね。
特にBtoBの場合は、AIの回答を見てもサイトには来ない人への影響も考えておきたいところです。AIで情報収集してから社名で検索する人もいますし、AIの回答を見てそのまま問い合わせてくる人もいそうなので、流入だけを成果にしてしまうとこうした影響を見落としてしまいます。かといって、何でもAIのおかげにするのも違うので、そのあたりのバランスは難しいんですよね。
それから、今のところAIはお客さんにならないと書きましたが、近い将来はそうとも言い切れなくなりそうです。ECではAIエージェントが代わりに買い物をするようになりそうですし、BtoBでもAIエージェントが比較や調達まで進めることが出てくるかもしれません。そうなると、噂話をしていたおばちゃんが、そのまま買いに来るお客さんにもなるということなので、AIに正しく伝わっているかどうかの重みは今よりも大きくなるのかなと思います。
やることはWebサイト運用の延長
変な噂をされないためにやることは、前回のおばちゃん対策の記事でも書いたとおりで、特別な施策というより普段のWebサイト運用の延長だと考えています。
おさらいしておくと、サービスの概要や価格、対象、事例、FAQといった基本情報を正確に、矛盾なく載せることがまずひとつで、それから実績や事例、データ、専門的な見解など、自社にしかない情報を出していくことです。あとは、メディアやSNS、取引先のサイトなど、自分のいないところでどう語られているかにも目を向けておくと良いかなと思います。
新しい施策を追いかける前に、まず自社の情報がちゃんと整っているかを確認したいので、そのために使っているのが次のプロンプトでのチェックです。
おばちゃんに直接聞いてみる(プロンプトでのチェック)
いちばんわかりやすいのは、おばちゃんに「あの会社ってどう?」と直接聞いてみる、つまりAIに自社について質問してみることです。
プロンプトを使った確認方法は、LANYさんの記事やunnameさんのnoteの記事が参考になります。
やることはシンプルで、想定顧客が実際に聞きそうな質問をAIに投げてみます。
- 「〇〇という会社について教えて」
- 「〇〇のサービスの特徴は?」
- 「〇〇と△△の違いは?」
- 「〇〇に向いている企業は?」
- 「〇〇を導入する際の注意点は?」
- 「この分野でおすすめのサービスは?」
AIによって答えが違うので、ChatGPTやGemini、Perplexityなど、いくつかのAIで試してみるのがおすすめです。
見ているのは、名前が出るかより回答の中身
この方法のメリットとしては、AIの回答に名前が出ているかがわかること、AIがどこから情報を仕入れているかがわかること、競合と比べて自社の情報に足りないものがわかることがあります。
私が特に便利だと思っているのは、自社サイトのヌケモレや不足情報がわかるところです。この情報が漏れているとか、こことここで言っていることが食い違っているとか、AIの回答を見ていると気づけるんですよね。具体的には、自社の特徴が正しく説明されているか、誤った情報や古い情報が混ざっていないか、サイトの中で矛盾していないか、競合と比べて足りない情報は何か、どこを情報源にしているか、といったところを見ています。AIの順位を測るというより、自社の情報を整えるためのチェックとして使っているイメージです。
直したらもう一度聞いてみる
情報を直したら、同じ質問でもう一度AIに聞いてみます。修正後の変化を見ると、AIの認識がどう変わったかがわかるので、これがけっこう面白いんですよね。
注意しておきたいのは、直した情報がAIに届くには、AIのクローラーがサイトに来て情報を仕入れてくれている必要があるということです。こちらが話を直しても、おばちゃんどうしでその話が始まらないと噂が変わらないのと同じですね。アユダンテさんの記事では、ChatGPT系のクローラーは新しいページへの再訪が少なく、間隔も長めだという観測が紹介されていました。すぐに回答が変わらなくても焦らなくていいかなと思います。
気になる人は、サーバーログでOAI-SearchBotやChatGPT-Userなどが来ているかを確認してみてください。GA4やSearch Consoleでは見えないので、ログを見るしかないんですよね。AIのクローラーを名乗るニセモノのアクセスも多いそうなので、User-Agentだけで判断しないようにしておきたいところです。
AIの回答は毎回同じではない
デメリットとしては、利用者が必ずしもその聞き方でAIに質問するとは限らないこと、聞くたびに回答が変わることがあります。自分が見た回答が、みんなが見ている回答と同じとは限らないので、そこは割り切って使っています。
噂話で名前が出ているかを確かめる(Search Console・Bing Webmaster Tools・Clarity)
おばちゃんに直接聞くのとは別に、喫茶店でどれくらい自分の名前が話題にのぼっているのかも気になりますよね。
AIの回答の中でどれくらい名前が出ているかは、ある程度数字で確かめることができます。私はGoogle Search Console、Bing Webmaster Tools、Clarityで見ています。
Google Search Console
Google Search ConsoleはAI概要やAIモードを含んだ検索のデータになるので、AIの分だけを切り分けて見ることはできません。喫茶店の中の話し声をまとめて聞いているようなもので、どれがおばちゃんの噂話なのかは区別できないんですよね。クリック数もわからないので、そこはもどかしいところです。それでも、検索クエリを見ればどういう情報が求められているかはある程度イメージがつきますし、表示回数の変化も追えるので見ておいて損はないです。
Bing Webmaster Tools
Bing Webmaster ToolsのAI Performanceでは、AI回答で引用された数や、引用されているページ、どんな検索語句に関連して引用されたかを確認できます。どんな話の流れで名前が出ているのかがわかるので、噂話の中身にいちばん近いデータなんですよね。ページを修正したあとの変化を追うのにも便利です。利用規模はGoogleより小さいので、数字の大きさよりも傾向を見るようにしています。
Clarity
ClarityもCitations(引用)の機能で、AI回答での引用状況を確認できます。引用数や、どの検索語句で引用されたか、引用されたページ、競合と比べた引用の割合、AI経由の流入割合などが見られます。AIによく引用されるページと、実際に人が来ているページは違っていたりするので、「引用はされているけど誰も来ていない」ページが見えてくるのも面白いところです。
注意点としては、データソースがMicrosoft Copilotとそのパートナーなので、ChatGPTやClaudeでの引用は含まれていないことがあります。喫茶店にいるおばちゃんのうち、一部のグループの噂話しか聞こえていない、という感じですね。すべての引用を網羅しているわけではないことや、設定がルートドメイン単位でサブドメインごとには分けられないことも気をつけておきたいところです。
数字が小さくても変化を見る価値はある
Bing Webmaster ToolsやClarityは検索数こそ少ないですが、詳細がわかるのが便利で、BtoBにはそこそこ使えます。
どれも定量的にわかるので、変化がつかみやすいのが良いところです。最終的なコンバージョンにつながるかどうかはわかりませんが、何をするとどこが増えるのかがわかるので、何か施策をしたときに変化を見るにはこのあたりが良いのかなと思います。
噂を聞いて来た人がサイトで何をしているか(GA4)
おばちゃんの噂を聞いて、実際に足を運んでくれた人がいるかどうかも見ておきたいところです。
GA4では、AI経由でサイトに来てくれた人の様子を見ています。デフォルトチャネルグループに「AI Assistant」が追加されて、ChatGPTやGemini、Claudeなどから来た流入がまとめて見られるようになりました。以前のように自分で正規表現を書いて設定しなくてもよくなっていますし、どのAIから来たかは「セッションの参照元」と掛け合わせると確認できます。
- GA4にAI Assistantチャネル追加、ChatGPTやGeminiなどのAI流入分析が可能に(海外SEO情報ブログ)
- GA4のデフォルトチャネルグループに「AI assistant」が追加(アユダンテ)
GA4の良いところは、定量的な変化がわかるのに加えて、ランディングページやキーイベントまで紐づけて見られることです。AI経由で来た人がどのページに来ていて、問い合わせなどにつながっているのか、他の経路で来た人と違いがあるのかがわかるので、サイトの中での行動と結びつけて考えられます。
デメリットとしては、AI経由で来た人を全部数えられているわけではないことがあります。参照元が残らずに別のチャネルに入ってしまうこともあって、噂を聞いて来たのに、そうとは名乗らずに入ってくる人もいるというイメージですね。ボットが混ざっている可能性もあります。また、AI Assistantチャネルは過去のデータには遡って適用されないので、反映された日の前後で分類が変わっている点にも気をつけたいところです。GoogleのAI概要やAIモードから来た人は通常の検索と区別できないので、こちらには含まれません。
完全な数字ではないので、「GA4で見える範囲の変化」として追っていくという感じです。ないよりはまし、というくらいの気持ちで見ています。
噂が広まって名前で探されているか(指名検索・SNS・広告)
噂が広まると、おばちゃんから話を聞いた人が、あとから名前で探してくれることもありますよね。
AIの回答で知った人が社名や製品名で検索することもありそうなので、指名検索やSNSでの言及、指名キーワードの検索連動型広告もチェックしています。自社の認知度がある程度わかるのがメリットです。
デメリットは、AI以外の理由でも変化することです。名前が知られるきっかけは、おばちゃんの噂話だけではないんですよね。広告や展示会、営業活動、メディア掲載でも数字は動きますし、広告は競合の出稿状況などの影響でも変わってしまいます。指名が増えるのは良いことですが、新規獲得のためには、まだ自社を知らない人への入り口も確保しておきたいんですよね。その入り口がAIになりつつあるので、AI対策が気になるという流れなのかなと思います。
ちなみにGoogleトレンドは、ある程度の規模がないと数字が出てこないので、中小企業だと使いにくいという感じです。
来た人に「どこで聞きました?」と聞いてみる(フォーム・ヒアリング)
いちばん直接的なのは、来てくれた人に「どこで聞きました?」と聞いてみることです。
問い合わせフォームの認知経路の選択肢に「AIで調べた」を入れておくと、AIで調べてから問い合わせてくれた人がどれくらいいるのかがわかります。フォームの項目を増やすと送信率が下がってしまうので、選択肢をひとつ足すくらいにとどめて、詳しいことは問い合わせ後のやり取りで「何をきっかけに知りましたか?」「ChatGPTなどのAIで調べましたか?」「どのようなことを調べていましたか?」と聞くようにしています。こうして聞いてみると、どんな聞き方でAIに質問したのかがわかることもあります。
デメリットとしては、フォームの選択肢は一番上や左上が選ばれやすいので正確性には欠けることがあります。それに、いろんなところで情報を集めていることもありますし、本人の記憶もあいまいだったりするんですよね。噂話でもどのおばちゃんから聞いたかまで覚えている人は少ないと思います。インフルエンサー的に強力なおばちゃんから聞いた話なら覚えていそうですが(笑)
なので、回答をそのまま信じすぎないほうがいいかなと思います。数字の精度は高くないですが、実際のお客さんがどうAIを使っているのかを知る手がかりにはなります。
複数のデータを組み合わせて、何が変わったのかを考える
ここまで見てきたように、それぞれにメリット・デメリットがあるので、ひとつの方法だけで判断するのは難しいんですよね。「AIに聞いたら名前が出てきたからOK」「GA4の数字が少ないからダメ」と個別に判断するのではなく、組み合わせて見るようにしています。
| 確認したいこと | 方法 |
|---|---|
| 正しく説明されているか | AIへのプロンプト入力 |
| AI検索で表示・引用されているか | Google Search Console・Bing Webmaster Tools・Clarity |
| AI経由でサイトに来ているか | GA4 |
| サイトで何をしているか | GA4 |
| 認知が広がっているか | 指名検索・SNS・広告 |
| 問い合わせにつながっているか | GA4・フォーム・ヒアリング |
流れとしては、まずAIに聞いてみて、おかしな説明の原因になっている抜け漏れや食い違いを直します。そのあと、Google Search Console、Bing Webmaster Tools、Clarityで名前の出方の変化を見て、GA4でAI経由で来た人の動きを確認し、フォームやヒアリングで来た人の声を集めます。ここから総合的に、何が効いたのかを考えていくという感じです。
施策の前後で比べられるように、いつ、どのページに、どんな変更をしたのかは記録しておくと後から振り返りやすくなります。確認する頻度はこんなところかな?と思います。
| 方法 | 頻度 |
|---|---|
| プロンプトチェック | 月1回+施策の前後 |
| Google Search Console/Bing Webmaster Tools/Clarity | 週次〜月次 |
| GA4 | 週次・月次 |
| フォーム・ヒアリング | 常時 |
| 指名検索・SNS | 月次〜四半期 |
変化があったとしてもそれが施策の結果とは限らないんですよね。AI側の仕様が変わって回答が変わることもありますし、ほかの施策の影響もあります。短期的な数字だけで判断せずに、いくつかの情報を見ながら次の改善の仮説を立てるくらいがちょうどよいですよね。
まとめ:噂を確かめて、自分の話を整え続ける
おばちゃん対策というと何か特別なことをしないといけないように感じますが、私がやっていることは普段のWebサイト運用とそれほど変わりません。自社の情報が正しく伝わっているかを確かめて、足りない情報を足していく。その前後でデータを見て、変化があれば次の改善に生かしていきます。
おばちゃんの噂話を止められないのと同じで、AIの回答を完全にコントロールすることはできませんし、どれくらい名前が出ているかを正確に数えることも難しいのが今の状況です。なので、名前が出たかどうかだけでなく、自社の情報が正しく整理されて、その先にいる人にちゃんと届いているかを大事にしたいと思っています。実際にAIに聞いてみると、意外なところで情報が抜けていたり、ページによって言っていることが違っていたりするんですよね。
噂を気にしすぎる必要はありませんが、自分の話を見直すきっかけにはなるので、おばちゃんたちが自社のことをどう話しているのか、たまには喫茶店の片隅で聞き耳を立ててみてくださいね。
