AIは「ものしりだけど初対面の人」と思えばうまくいく

AIに相談したいけれど、どう質問すればいいのかわからないという人って多いですよね。
AIからの回答精度を上げるために完璧な質問文やプロンプトを作る必要はなくて、AIを「なんでも知っている初対面の相手」と思って伝わりやすい流れで話を進めればうまくいきますので、どんな感じで進めるかを簡単に説明します。
回答精度が上がる「基本の3ステップ」
初対面の人と話すときって、自分が何者か、自分が何をしているか、自分がどんな状況にいるのかなどを説明しますよね?AIとの会話もそれと同じで、いきなり本題に入るのではなく、次のような順番で段階的に進めると状況を正しくつかんでくれてよい回答が返ってきやすくなります。
1. 知識確認:「○○を知ってる?」
AIがテーマを理解しているかを確認して回答の「土台」を整えます。
例:「GA4の比較機能を知っていますか?」
人と話すときも同じですよね。
これって知ってる?から始まって、知らなければ説明から、知っていれば「そうそう!で、これがね…」と続きます。
2. データ・資料を渡す:「この内容を理解できる?」
読んでほしい文章やデータ、PDFなどを共有します。
例:「GA4の集客サマリーのデータがあります。内容を理解できますか?」
これによってAIは事実に基づいた回答ができるようになります。また、データの範囲も決まるので理解してくれやすくなるのがメリットです。漠然としたことを聞いても良い答えが返ってこないのと同じです。
3. 本題の質問をする
知識と資料がそろったところで、ようやく本題にいきます。
例:「このデータから、何がわかるのか、改善すべき点があれば教えて下さい」
こんな感じで話題の共有→資料の共有→相談内容としていくと、AIにとってもこの順番がもっとも理解しやすいようですし、人間と話している感覚に近いのでやり取りもスムーズです。
AIにわからないことを聞いてもらう
細かい条件を最初から完璧に書こうとすると大変ですし、プロンプトをどこかから持ってきてもなんかしっくりきませんよね。
そんなときは、AIの「聞き返す力」に頼ってしまえば大丈夫です。AIを動かすための最小セットは次の2つだけです。
- 目的: 何をしたいのか
(例:読みやすくしたい、要約したい、改善点を知りたい) - 入力: 元になる文章やデータ
(例:文章をコピペする、ファイルを添付する)
たったこれだけでもAIはちゃんと答えてくれますし、情報が足りないときはAIが自然に聞き返してくれます。
「誰向けの文章にしますか?」
「専門用語は残しますか?」
というように、会話をしながら条件が整っていきます。
コンサルとか制作会社さんにウェブサイトをリニューアルしたいと言ったら、どんな目的ですか?と聞いてくれるのと同じです。
最初の3ステップで状況を理解してもらったら、こちらのやりたいことを伝えていきましょう。
「ひとことヒント」で精度が上がる
短い一言を添えるだけでAIの回答はさらに良くなります。
1. 目的を伝えるひとこと
例:「読んだ人が前向きに検討したくなるように書き直してください。」
効果:表現の方向性が明確になります。
人間に対してはなかなか言えないですが、AIなら何も言わずに言い換えてくれますので、自分が読みやすいものとか目的に合った表現を指示してみましょう。
2. レベル感を指定するひとこと
例:「中学生でもわかるように説明してください。」
効果:専門用語が減り、読みやすくなります。
返ってきたものを見て、高校生とか社会人3年目とか○○には疎い課長とかを設定するといいですね。最初からこれを指定するのは難しくて、出てきた答えが分かりづらい時に指定するのがスムーズです。
3. 求める形式を示すひとこと
例:「おすすめの施策を三つ挙げて、比較しながら教えてください。」
効果:そのまま共有できる形で回答が返ってきます。
回答が長い時などに便利です。メリデメ比較とか自分が欲しい条件を入れるとさらに良いです。
4. 問題の経緯を一文で伝える
トラブル相談では次の3点を添えると原因分析がしやすくなります。
- 何を試したか
- どうなったか
- どうなってほしかったか
例:「GA4でキーイベント設定を試しましたが、数値がまったくカウントされません。広告経由の問い合わせ数を正しく把握したいです。」
上司とか同僚に相談するときと同じですね。
完璧を目指すより、AIと会話しながら整えていく
AIはものしりですが、あなたの状況を何も知らない初対面の人でもあります。
相手が知っていることを確認する
↓
知っていることがわかったら具体的なことを聞いてみる
↓
改善点などより詳細を聞いてみる
こうして会話を進めていくのがコツです。
一発で完璧な答えを求めるより、ちょっとずつ会話を続けたほうが、はるかに良い成果になります。質問が得意でなくても大丈夫です。AIと一緒に編集していくつもりで気軽に投げていけば、自然と対話の質も精度も上がっていきますので、皆さんも試してみて下さい。
