AEO対策の答えはAIを知らないライターさんのフィードバックにあったのかも?と思った。

AEOとかLLMOとかGEOとかAI対策とか、言葉はなんでもいいのですが出始めのころって混乱しますよね。日々情報を集めているとどうしても自分の感覚に偏るので、ちょっと違った視点からの話を頭に入れてきました。
で、やっぱり刺激があっていろんなことがつながったのと、自分の考えは変わらないと思ったのでまとめておきます。こんなポストもしたので。
JBNさんのセミナーに行ってきました
【セミナー】AIを使いこなし、人間らしさで選ばれる。メディアと企業の新しい姿
8月4日にJBNさん主催のセミナーがあって行ってきました。テーマはAI時代のメディアと企業について。登壇は小林弘人さんとHubSpotの磯野留以さん、JBNの坂田大輔さんの3名です。
ちなみに、このセミナーの存在を知ったのはJBNの稲田さんのポストから。稲田さんとはa2iのセミナーを依頼してからお付き合いで、面白い観点でのコンテンツ作りをされているのでポストを見ていたら、ということですね。定点観測をしているとこういったことがよくあります。
中身はここでは書きませんが、聞きながらずっと別のことを考えていました。あるクライアントさんのブログで定期的にやっていることと話がやたら重なるな~と思ったからです。新しいことを知ったというか、自分の手元にすでにあったものに気づいた感じですね。
あるクライアントさんでやっていること
そのクライアントさんのブログはこんな流れで記事を作ってます。
- AIで記事案を出す
- その案をもとに書き手の方が記事を書く
- 公開する
- 公開された記事を外部のライターさんが1本ずつチェックして、それをまとめて月に1回フィードバックしてくれる
4番のライターさんのところが気づきが大きかった点です。この方はAIの話も検索エンジンの話もしないというか苦手です。取材と編集が強みの人なので読みやすいかどうか、読者に伝わるかどうか、見ているのはそこだけですね。
フィードバックは1本ずつその都度ありますが、私が1か月分でまとめております。まとめて読むと同じ指摘が何本もの記事にまたがって出てくるのが見えます。1本ずつで見てしまうと「この記事のここ」で終わってしまうところが、束ねることで「うちの記事っていつもここが弱い」になるので、これはけっこう違いますね。
溜まったものは次の記事案を出すときのAIへの指示に入れますし、書き手の方にも共有します。AIも人間も同じフィードバックで成長していくという感じです。
実際に返ってきたフィードバック
どんなことを書いてくれてるのか、いくつか挙げてみます。
- 「さいごに」という見出しにはあまり意味がないので、その段落で一番伝えたい内容を見出しにしたほうがいいです
- この記事にはリード部分がないので、冒頭の文章を整理してリードに持ってきてはどうかなと思いました
- 箇条書きのところは、文頭に「✦」を入れて改行するのではなく、箇条書きのスタイルを使ったほうがいいですね
- 文中に斜体でコメントされている部分がありますが、斜体は「引用」で使われることが多いので、今回はスタイルなしにしたほうがいいと思いました
- この段落は主語が途中で入れ替わっていて、流れからすると別の人のことになっているかなと思いました
- 全体を通して、同じような内容が何か所かで繰り返し説明されているところがありました
ごく普通というか読みやすい文書にしようと思えば至極まっとうな指摘ですよね。文章を見てもらったことがある方なら似たようなことを言われた経験があるかなと思います。
これって今言われてることと同じでは?
セミナーの中に気づいたのがここでした。
上記のフィードバックを最近よく聞く言葉に置き換えてみます。
| ライターさんのフィードバック | 最近の言い方 |
| 「さいごに」ではなく、伝えたい内容を見出しに | 1つのセクションで1つの問いに答える |
| リードがないので、冒頭に整理して置く | 記事の頭に結論・要約を置く |
| 「✦」ではなく箇条書きのスタイルを使う | リストや表による構造化 |
| 斜体は引用の意味なので、今回は使わない | 意味を持つ書式を、意味どおりに使う |
| 主語が途中で入れ替わっている | 主語をはっきりさせる、省略しない |
| 同じ内容が何か所かで繰り返されている | 重複を減らして情報量を上げる |
右側でいま言われてるのがAEOで、そのなかに「セマンティックトリプル」という考え方があります。主語・述語・目的語をはっきりさせて1文で意味が完結するように書きましょう、というものですね。「HubSpotは、カスタマープラットフォームを、提供しています」みたいな形です。
AIは文章を丸ごと読むんじゃなくて途中で切り取って使うので、切り取られた1文だけで意味が通じないと引用されない、という理屈になります。
要は昔から言われている書き方の話とほとんど同じかなと思ってます。
箇条書きの指摘
「✦」を入れて改行するんじゃなくて、箇条書きのスタイルを使ってください。
これって、いわゆるHTMLの基本というかなんというか、マークアップするときの基本ですよね。
見た目はどちらもリストですが、「✦」で改行しただけのものは中身がただの文章です。箇条書きのスタイルを使えばリストのタグになるので、ここがリストなんだと機械にも分かります。人間の目には同じに見えても片方しかリストに見えないわけですね。
これはAEOやLLMOでも「セマンティックHTML」という言い方でよく出てきます。見出しは見出しのタグ、リストはリストのタグ。それぞれが持つ意味どおりに書かないとAIが本文をうまく抜き出せない、と言われてます。
斜体の指摘も近いところにあります。斜体は引用で使われることが多いから、引用じゃないなら使わないほうがいい。こちらはタグというより読者の受け取り方の話ですが、その表現には意味がついているという前提は同じですね。
ライターさんはこういう用語をひとつも使ってません。AIに引用されたいから直しましょうとも一度も言ってない。読みやすいかどうかだけを見て同じところに着地してるわけです。
もちろん全部が一致するわけでもないです
面白かったのはぶつかってる箇所もあったことですね。
記事のQ&Aで「取り返しはつきますか?」という質問に「大丈夫です」と言い切ってる部分があって、そこに言い切らないほうがいいのではというフィードバックが入ってました。読者が不安な状態で読むところなので簡単に大丈夫と言わないほうがいい、という判断です。
AEO的には逆で、はっきり言い切った文のほうが引用されやすいと言われてます。曖昧な文って切り取っても使えないので。
こういうときにどっちを取るかですが、個人的には読者かなと。機械に読まれるために書いてるわけじゃないですからね。全部が一致するわけじゃないと分かったうえで、割れたときにどっちを選ぶか決めておけばいいと思ってます。
AIを使っていたら自分が書くのがうまくなった気がしたのもこれかも
AIに全部書かせようとしてた時期がありました。この記事ですね。
こうやって書いているうちに自分の構成力が上がったというか、AIがわかりやすい感じには書けるようになってきました。どこが説明不足でどこが重複してるのか、どの順番なら伝わるのか。AIに指摘されて気づくこともありますし、AIの出した構成を見て「これじゃないな」と思うところから自分の考えがはっきりすることってありますよね。
つまり、AIって代わりに書いてもらう相手というより、トレーニング相手として使うほうが向いてるのかなと思ってます。根底にある考えは以下の記事と変わらず。
「AIに分析させる」から「AIと分析する」~Looker Studioのレポートを対話前提の指示書に変えた話~ | 運営堂
今回のライターさんもフィードバックのなかで「AIを使って、最後にもう1回『似た内容が複数箇所に出てくる場合は構成を整理して』とステップを踏んでみるといいかもしれません」と書いてくれてました。読みやすくするための道具としてふつうに勧めてくれるんですよね。
読み手が増えただけの話
なぜ昔ながらの推敲とAEOが一致するのかを考えてたんですが、AIが特別なわけじゃなくて読み手が増えただけかなと思ってます。
人間が読みにくいと感じる文章はAIなどにとってはもっと読みにくいです。主語がない、指示語だらけ、同じ話が何度も出てくる、見出しが中身を表してない。人間は前後から推測して読んでくれますが、機械は切り取った断片しか見ないので推測する材料がありません。
というか順番が逆ですね。AEOのために書き方を変えるんじゃなくて、ちゃんと書けていれば結果としてAEOになってるというか、SEOになっているというか、正しいHTMLのマークアップというか、正しい文章構造。
やることはネットがなかった時代に戻ってて、変わったのはやったことをネットにどう出すかの部分だけかなと思ってます。なので知らないことややってないこと、分からないことは書かなくていいです。というか書けないですし、書いてもバレますから。一次情報とか言われておりますが、そもそもかけることを書けばいいってことですね。
いろんな方面から考えてみると根本は変わっていなくて、伝える相手と伝え方が変わっているだけ。ひょっとしたら違うかも?という焦りもなくなった感じです。
と、ここまで書いて公開しようと思っていたところにこの記事を読みました。
AIに書いてもらうのではなく、書いたものを最初に読んでもらうくらいの使い方がちょうどいい距離感かもしれません。
ということなんだろうと思います。
最初からAIを使って書くにしてもちょっとしたヒントぐらいがちょうどよさそうです。
